体内にたまった毒が【認知症】の原因の1つ!? 毒素排出効果のある食べ物を長寿研究の第一人者・白澤卓二さんが解説
健康長寿を目指すうえで、やっぱり気にかかるのが「脳」の健康。いつまでもボケずに暮らすにはどんなものを食べればいい? 抗加齢・長寿研究の第一人者・白澤卓二さんに認知症を予防する食について伺いました。認知症予防の最新研究からわかった新常識をお届けします。
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>>最新の研究でわかった【認知症予防】に必須の食材とは? 長寿研究の第一人者・白澤卓二さんがアドバイス
お話を伺ったのは
白澤卓二さん
しらさわ・たくじ●医学博士。白澤抗加齢医学研究所所長。お茶の水健康長寿クリニック院長。Residence of Hope館林代表。
千葉大学医学部卒業後、東京都老人総合研究所、順天堂大学大学院医学研究科・加齢制御医学講座教授などを経て、2018年にお茶の水健康長寿クリニックを開設。
『Dr.白澤のアルツハイマー革命 ボケた脳がよみがえる』(主婦の友社)、『脳の毒を出す食事』(ダイヤモンド社)など、著書は300冊を超える。
脳にも体外から毒が侵入。認知症の原因に
これまで、人体の中枢を担う脳は、異物が入り込むことができないよう、厳重に守られていると考えられてきた。ところが、2019年にアルツハイマー病患者の脳から歯周病の原因菌・ジンジバリス菌が発見された、という論文が発表され、医学界に大きなインパクトを与えた。
「脳の守りは鉄壁ではない、ということが示されたのです。アルツハイマー病など神経変性疾患の世界的権威であるブレデセン博士の説では、『脳に何らかの異物が入ると、それと戦うためにアミロイドβが発生し、やがて毒性の強いタンパク質へと変質して神経細胞が機能障害を起こす』となっています」
体に毒を入れないことは大切だが、私たちは普段から呼吸や食べ物、皮膚などを通して外界と接触していて、カビや重金属、内分泌を乱す物質など、さまざまな有害物質にさらされている。これら有害物質を完全にシャットアウトすることは不可能だし、それを考えながら生活することは、多大なストレスをためることになってしまう。
「できないことに注力するより、私たちの体に備わっている排泄のメカニズムを強化するほうが現実的ではないでしょうか。体内に入った有害物質は、汗や尿、便などと一緒に体外に排泄されます。運動や入浴で汗をかくことや、腸内環境を整えて快便を促すことは何よりのデトックスになります。また、毎日の食事に、解毒作用のある食品を取り入れることも毒の排泄に大いに役立ちます。毒を体内に入れないために、グルテンを含む食品を避け、添加物フリーを心がけることも重要です」
「脳の毒を出す食材」は次のページを参考に。毎日の食事に取り入れ、認知症の予防に役立てよう。
体に毒を入れないために心がけたいこと
グルテンフリー
小麦粉に含まれるタンパク質、グルテン。グルテンに抗体をもっている人が小麦を食べると、体はグルテンを「これは毒だ! 攻撃対象だ!」と認識し、全身で炎症が起こる。特に影響を受けるのが大腸の粘膜で、炎症がひどくなると食べ物の消化・吸収がうまくできなくなる。さらに、グルテンは体内で分解されると中毒性のある物質に変化するため、小麦粉製品を食べるのをやめられない、という状態に陥ることに。グルテンが引き起こす炎症は認知機能の低下にもつながる。グルテンは体に毒ということを肝に銘じて、思い切ってグルテン絶ちを。
添加物フリー
長期間保存できるよう、複数の食品添加物を加えて高度に加工した食品を「超加工食品」という。欧米ではこれらが健康に与える悪影響が指摘されており、超加工食品の摂取量と死亡リスクとの関連が指摘されている。食品を購入するときは、必ずパッケージの原材料をチェックして。認知機能が低下し始める50代以降は、食品添加物はできるだけ避けたほうがよい。安心で安全な食生活を送りたいのであれば、手作りがベストだ。