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「しんどくて機嫌よく振る舞う余裕がないときは、どうしたら?」精神科医・藤野智哉さんが教える対処策

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藤野智哉

怒り・悲しみ・恐れ……自分の中に生まれた“負の感情”に、みなさんはどう対処していますか? SNSフォロワー数12万人の精神科医 藤野智哉さんが、ゆるっとした気持ちで負の感情とつき合える方法を紹介します。新刊『嫌な気持ちにメンタルをやられない 不機嫌を飼いならそう』から抜粋してお届けする第2回は「しんどくて機嫌よく振る舞う余裕がないとき」

▼前回はこちら▼

「心に”不機嫌さん”はいてもいい」SNSフォロワー12万人 精神科医・藤野智哉さんのアドバイス

しんどいときに、約束を断るなら

しんどくて機嫌よく振る舞う余裕がないときに
もし、約束を断るなら
伝え方を工夫してみましょう

体調が悪かったり、気持ちが落ち込んでいたりするときは、どうしたって機嫌よくは振る舞えませんよね。

そんなときに友達と会う約束や会合の予定があったとしたら、どうしますか? 本当は断りたいのに、「ドタキャンしたら友達に縁切りされちゃうかも」「もう誘ってもらえなくなるかも」と、ためらってしまう人もいるかもしれません。

でも僕は、断るのはありじゃないかなと思います。それで切れてしまうような関係なら、どうせどこかで切れますから、「早めに切れてよかった」と思うのも一つの考え方です。

それに、無理して出かけて機嫌よく振る舞えなかった結果、それで嫌われる可能性だってありますよね。機嫌がいいふりをしたり、イライラをコンロールしたりするには余裕が必要ですから、そういう余裕がないときはそれで嫌われることを避けるため、戦略として約束を断るのもありじゃないかなと思います。

調子の波は誰にでもあって当然なのに、隠そうとする人がけっこう多いんですよね。でも相手にさらけ出してみたら、「私もそういうときはあるよ」「わかる、わかる」と共感を得られることもあるわけです。

だから言える範囲で正直に理由を伝え、それで体調を心配してくれるわけでもなく縁を切られるようなら、無理をしてまでつなぎとめる必要がある関係なのか考えてみてもいいと思います。

ただ、断るときは伝え方を工夫したほうがいいかもしれません。断るかどうかを迷うよりも、どうすれば嫌じゃない感じに断れるか考えるほうにエネルギーを割くほうが、うまくいくことがあるような気もします。

「今回はごめんね。体調がよくなったらぜひ参加したいので、次回また誘ってもらえるとうれしい」

これからも交流を続けていきたいのであれば、そんなふうに次につながる言葉で伝えるのがいいと思います。今回は行けないけど相手のことを嫌いなわけではない。事象と感情を分けてはっきり伝えることが大切です。

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