ドラマ初主役を務める【風吹ジュンさん・73歳】初共演の夏木マリさんに対する思いも告白
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志賀佳織
どこで一歩踏み出すか解放感を感じ取って
風吹さんがドラマ初主演ということにも驚くが、70代女性二人を主人公に、こんなにもカッコいい作品の作られることが、また驚きで痛快だ。キャッチコピーは「人生、まだこれからよ バカヤロー」。そうだそうだと喝采を送りたくなる。読者の皆さんにとって、これほど共感できる作品はそうそうないのではないだろうか。
「照子は置かれている環境も性格も私とは違うけれども、ただ、離婚のきっかけも見失うぐらい自分を抑えて言い聞かせて生きてきたようなところは、私自身も経験しているので、共感できるところはありますね。私は、自分が両親の離婚で苦労させられただけに、子どもには同じ思いをさせたくなくて、踏みとどまろうとしていたけれども、やっぱり人間は一人なんですよね。まず個人で立たないといけない。追い詰められると、人って簡単にネガティブな方向に引きずられてしまいます。でもそのときに、ふとしたきっかけで気分が変わることもある。照子にとっては、それが瑠衣からの電話だったんですよね。決して皆さんに『離婚してください』とか『自由を選んでください』とか伝えたいのではなくて、どこでどんなふうに勇気をもって一歩を踏み出すか、その解放感やエネルギーを感じ取っていただけたら嬉しいと思うんです。人生これからだ!って」
一人で立ち、果敢に挑戦を続けた結果、70代の現在は、これまで地道にまいてきた種が一斉に花をつけたような手応えあるものになっている。そして今、冒頭の言葉のように改めて俳優という仕事と向き合う時期を迎えている。
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