ドラマ初主役を務める【風吹ジュンさん・73歳】初共演の夏木マリさんに対する思いも告白
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志賀佳織
数々の映画、ドラマで目覚ましい活躍を続ける風吹ジュンさん。6月から放送中の「照子と瑠衣」では初のドラマ主演も。今、俳優が改めて楽しいと言う風吹さんに、その思いを聞きました。
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プロフィール
風吹ジュンさん 俳優
ふぶき・じゅん●1952年富山県生まれ。
75年「寺内貫太郎一家2」で女優デビュー。91年映画『無能の人』で日本アカデミー賞優秀助演女優賞受賞。
主な出演作に映画『コキーユ~貝殻』『魂萌え!』、ドラマ「やすらぎの刻~道」など。
今秋、映画『SPIRIT WORLD』が公開に。
共演の夏木マリさんにシンパシーを感じて
「今の挑戦はドラマなんです」
50歳で子育て卒業宣言をして以来、中国茶や旅、登山と、次々に新たなフィールドを開拓し充実の日々を送ってきた風吹ジュンさん。常に目標を掲げて努力を惜しまない風吹さんに、「今いちばん情熱を注いでいるものは何ですか」と尋ねたら、迷いなく冒頭の答えが返ってきた。いい笑顔をされている。
その言葉どおり、これまでにも増してここ数年の風吹さんの働きぶりがすごい。ドラマに映画に文字どおりひっぱりだこで、その出演作のリストを見れば、途切れない活躍に改めて驚かされる。
そして今、テレビドラマにおいて初の主役を務めている。NHKのBSで現在放送中のプレミアムドラマ「照子と瑠衣」である。作家・井上荒野さんの同名小説が原作で、70代の二人の女性の逃避行を描いたシスターフッドドラマだ。風吹さんが演じるのは、長年モラハラ夫に使用人のように扱われてきた専業主婦・音無照子。学生時代からの親友でシャンソン歌手・瑠衣の役は夏木マリさん。この瑠衣もまた現状に行き詰まっている。
「マリさんとはデビューがほぼ同時期なんですけど、共演は初めて。彼女がアーティストとして『印象派』シリーズなどの作品で活躍していた時期、私は子育て中だったので、その意味では生き方が全く違うんですよね。うらやましくて憧れの対象でもあっただけに、共演が決まったときは、その存在感の大きさに私の力が及ばないんじゃないかと少し迷いもありました。でもいざお会いしてみたら、同世代ということもあり、すごくシンパシーを感じられた。今ではもう大好きです(笑)」
照子は大和田伸也さん演じる夫・寿朗の横暴ぶりに、忍耐の限界に達している。思い詰めていたある日電話が鳴り、ギリギリのところでわれに返る。声の主は瑠衣。そして彼女もまた涙声で照子に訴えるのだ。「助けて」。照子が車を運転して瑠衣を乗せ、二人は晴れやかな笑顔で逃避行に出る。
