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衝撃データ「命の期限が迫った時、7割の人は意思を伝えられない」日頃からすべきことは?【後悔しないお別れ】

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永井康徳

ふだんから〝死〟について話そう

記録するのが面倒だという場合は、ふだんから〝死〟について家族と話す時間を、意識してつくるようにしましょう。とはいえ自分のことはともかく、親に「どう死にたいか」などと聞くのは難しいでしょう。タイミングを間違えると相手の気分を害してしまうかもしれません。

例えば、芸能人や著名人が亡くなったとき、そのニュー スに合わせて「自分ならどう死にたいか」と話し合ってみてはどうでしょうか。病院で行われる延命治療について、最近は在宅医療による自宅での看取りという選択もあることなど、最新情報を交えながら、「自分ならこうしたい、お父さん(お母さん)はどうしたい?」というように話をしてみてはいかがでしょうか。

死についての話題はデリケートなものです。一度でうまく聞けないこともあるでしょう。時間をかけて、チャンスがあるときにすかさず話をすることが大切です。

このような、死が近くなったときにどのような医療やケアを望むのかについて、自分のこととして考え、家族や友人など近しい人と話し合うことを「人生会議(ACP)」といいます。ACPとはアドバンス・ケア・ プランニング( Advance Care Planning)の 略で、厚生労働省が2018年に名づけ、普及活動が行われています。

たんぽぽクリニックでは患者さんの看取りが近づいてくると、患者さん、家族、スタッフを交えた人生会議を行います。よりよい看取りのためにスタッフが中心となって行うのですが、人生会議は死が迫ったときにだけするものではありません。

若くても、元気でも、死について話すことは大切です。死が近くなくても、医療スタッフがいなくても、テレビを見ながら家族と「自分ならどう死にたい」と話すことだって人生会議です。「もしもノート」や「エンディングノート」など書き記したものがなくても、ふだんから、最期をどうしたいのか聞いていれば、延命治療の同意書を求められたとき、本人が希望する選択をすることができます。

いざそうなったときに後悔しない選択ができるよう、元気なときに「どう死にたいのか」を話し合うことが大切だと私は思います。

日本では死について考えたり、話したりする機会がほとんどなく、人生会議はまだまだ一般的になっていないように感じます。30代、40代と若い年代から、親も子も交えて人生会議を自然に行えるようになってほしい、そう願っています。

〜後悔しないお別れのために大切なこと〜

「もしものときのためにふだんから話しておくことが大切です」

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※この記事は『後悔しないお別れのために33の大切なこと』永井康徳著(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。

後悔しないお別れのために33の大切なこと

永井康徳著
主婦の友社刊

人はいつか死にます。「どう死ぬか」を考えることで「どう生きるか」が変わります。3000人を看取った在宅医からのメッセージ。
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