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最期を看取る時「もし家族と意見が食い違ったらどうする?」在宅医のアドバイス

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永井康徳

家族と意見が異なる場合は味方を探そう

カリフォルニアの娘でなくても、患者さんの希望と家族の希望が一致しないことはあります。患者さんは「延命治療はしたくない、自然にまかせたい」と希望しても、配偶者や子どもが「一分一秒でも長く生きていてほしい」と願うことは、珍しくないのです。家族の意見も大事ですけれど、いちばん尊重しないといけないのは本人の希望です。ただ、無理にそれを進めてしまっては家族に後悔が残ってしまいます。

後悔がないように、いろいろな選択肢を説明したうえで、患者さんの希望をお話しして、家族の同意を得るようにします。

家族と意見が異なったときは、自分の意見を認めてサポートしてくれる味方を探しましょう。意見が対立する場合は、周囲の人を巻き込むことが大事です。味方は家族でなくても友人でも、医療スタッフでもいいのです。一人でも多く、自分の意見に賛成してくれる人に頼り、可能なら人生会議にも参加してもらいましょう。

家族も大事な人をもうすぐ失うというつらい状況にあります。ただ、やはり「限られた時間をどう過ごすのか」「最期をどのように迎えるか」を決めるのは、患者さんの希望が最優先されるべきです。

医療用語では命が助かる見込みのない状態になったときを「終末期」といいます。日本では終末期に患者さんがどうしたいかを確認し、実現する仕組みが十分ではありませんでした。終末期に患者本人の意向が確認できるのは、約3割というデータもあります。自分の意向を伝えるためにもふだんから人生会議を行いましょう。

〜後悔しないお別れのために大切なこと〜

最期をどう過ごすかを決めるのは自分自身です

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※この記事は『後悔しないお別れのために33の大切なこと』永井康徳著(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。

後悔しないお別れのために33の大切なこと

永井康徳著
主婦の友社刊

人はいつか死にます。「どう死ぬか」を考えることで「どう生きるか」が変わります。3000人を看取った在宅医からのメッセージ。
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