【精神科医が教える】お金の悩みを抱えている人の心を軽くする方法「その基準は捨ててください」
家事や仕事、介護や子どもの心配……。体力は落ちるのに悩みは増えるゆうゆう世代。全部を頑張ろうとして疲れがたまっていませんか。その頑張り、本当に必要でしょうか? 完璧でなく、ほどほどでいいのでは? 「ほどほど力」を提唱する精神科医のTomy先生に、読者の「夫・家族」に関するお悩みに答えていただきました。
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お話を伺ったのは
精神科医 Tomy先生
トミー●1978年生まれ。精神保健指定医、日本精神神経学会専門医。
フォロワー数39万人突破のX(旧Twitter)が人気で、テレビ・ラジオなどマスコミ出演多数。
『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』に始まる「1秒シリーズ」(ダイヤモンド社)は大ベストセラーに。
他に『精神科医Tomyの自分を大切にする習慣』(フォレスト出版)など著書多数。
Tomy先生教えて!こんなときこそ「ほどほど力」の使い方ヒント【夫・家族】
Q 物価高の今、家計のやりくりでヘトヘトです。買い物へ行くたびに暗い気持ちになります。でも、息子と娘にいくばくかのお金を残したいと思って頑張っています。(Y.J.さん 68歳)
A お金の問題は何とかしなければいけませんから、もうこれは、ゲームだと思って楽しむしかないですね。チラシで安いお店を探すとか、安い食材で作りおきをするとか。こうした逆境に置かれたときに大切なのは、「今までどおり」にしようと思わないことです。状況のよかった過去を基準にすると、不満しか湧いてきません。その基準は一度捨ててしまいましょう。すでに皆さん、家事や家計のやりくりは得意だと思いますが、改めて今できることを探してみるのです。こうすればよくなるな、と前向きに取り組むことで気持ちは軽くなります。お子さんへのお金も、「もし残せたら幸せ」。あくまでプラスとしてとらえればいいと思います。
Q リタイアした夫は、家事が全くできず、やってもらって当然の様子。仲よく家事をしたり、出かけたりする夫婦がうらやましい。これがあと20年も続くかと思うとうんざりします。(N.E.さん 60歳)
A あなたの夫はあなたの気持ちに気づいているでしょうか。今すぐ、何でもしてあげる関係をやめるべきです。そうしなければ今の状況が続くだけ。まずは夫に問題に気づいてもらうこと。そして真剣に向き合ってもらうことです。そうすれば話し合いで妥協点が見つかります。毎日の家事ではなく、夫婦のコミュニケーションを頑張りましょう。いちばん悲しいのは、ずるずると家事を頑張り続け、ある日突然、あなたの気持ちが切れてしまうこと。せっかく理想があるのですから、そのための行動をとりましょう。
Q 長男の嫁は料理が得意ではなく、毎週末、息子家族がご飯を食べに来ます。帰りには総菜も持たせています。料理自体は苦ではないのですが、嫁に対して 頑張りすぎでしょうか。(S.S.さん 62歳)
A 素直に楽しめず、頑張りすぎかなと思うのであれば、毎週末を月1回にするなど、まずは頻度を落としてみましょう。お土産を持たせるのもやめましょう。月1回、みんなで楽しい時間を過ごす。それだけで十分ではないでしょうか。また、お嫁さんが料理が苦手でも、あなたが手伝っていてはいつまでも上達しません。この先もずっと手伝う覚悟があれば話は別ですが、あなたが頑張りすぎてしまうと、お嫁さんが頑張るチャンスがなくなってしまうんです。そういうふうに発想を転換することも大事です。
精神科医Tomyのほどほど力 全力投球は、もう卒業よ
精神科医 Tomy著 だいわ文庫
全力で頑張り続けることに疲れてしまった人に、完璧を求めず自分らしく生きるための「ほどほど力」の大切さを教えてくれる一冊。日常で実践できる具体的なヒントも多く、読むうちに心の余裕が生まれ、毎日の生活がもっと楽になる。
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取材・文/志村美史子
※この記事は「ゆうゆう」2025年9月号(主婦の友社)の記事を、WEB掲載のために再編集したものです。
