記事ランキング マンガ 連載・特集

【ガーデニング】秋バラを美しく咲かせるための夏剪定とは?/ミニバラ栽培ガイド

公開日

更新日

吉原美奈子

【ガーデニング】秋バラを美しく咲かせるための夏剪定とは?/ミニバラ栽培ガイド

南ドイツのガーデンショップの店先に置かれたピンクのミニバラ。グリーンの鉢にリボンを巻いたりと、小物使いのセンスも発揮できるのがミニバラの楽しいところです。

まだまだ暑さは続きますが、バラ好きとしては秋バラのことも気になり始める季節。秋にバラをきれいに咲かせるためには夏に剪定を行います。今回は夏剪定の基本的な考え方についてお話しますが、その前に愛らしい姿で変わらぬ人気のミニバラにも触れてみたいと思います。小さくても立派なバラの仲間です。

マイクロミニからパティオまでサイズはさまざま

樹高が数10㎝で花径3、4㎝以内のバラをミニバラと呼びます。もともとはポリアンサと呼ばれる系統をかけ合わせて誕生したバラで、普通のバラと同様に株立ちになるタイプ、枝が横に広がるタイプ、つる性のタイプなどがあります。

ただしミニバラの厳密な定義はなく、樹高が50㎝ほどになる大型のタイプはパティオローズと呼ばれたり、反対に樹高も花径も極小のタイプをマイクロミニなどということもあります。

ミニバラはほとんどの場合、鉢植えでよく育ちます。テラスやベランダでバラを育てたい方にはぴったりのバラと言えるでしょう。もちろん地植えにもできますが、サイズが小さいために他の植物の陰になり、弱って枯れてしまうこともあるので植え場所は慎重に。また一般に、地植えにすると鉢で育てるよりも大きくなるので、可憐なイメージを楽しみたい方には鉢植えがおすすめです。

【ガーデニング】秋バラを美しく咲かせるための夏剪定とは?/ミニバラ栽培ガイド(画像2)

長く愛されている’リトル ホワイトペット‘。ほかに’テディベア‘、’グリーンアイス‘、’オプティマ チュチュ’、‘八女津姫’、’マザーズデイ‘、’ルポ‘などもミニバラの名花です。

【ガーデニング】秋バラを美しく咲かせるための夏剪定とは?/ミニバラ栽培ガイド(画像3)

花径1~2㎝のミニバラが可愛すぎる! ピンクと周囲の白が優しくマッチしています。レンゲの花のようなミニバラはレンゲローズの愛称でも販売されているのでチェックしてみて。

草花感覚でミニバラ栽培、でもポイントは押さえて

ミニバラのメリットは株が小型なので、草花を育てる感覚でバラ育てができること。剪定肥料もむずかしく考える必要はありません。ほとんどが四季咲き性なので、花が終わってしおれたら、5枚葉を1つ、2つ付けて茎を切るだけ。しばらくするとまた花が付きます。

肥料はなるべく花がついていない時期を見計らい、月に1回ほど与えます。ベランダ栽培なら臭いの少ない化成肥料がよいでしょう。生育旺盛な春と秋は液肥も10日か2週間に1回与えます。

よく花を咲かせてくれるミニバラですが、株が小さいためどちらかというと病害虫の被害は受けやすいといえます。病気と害虫の両方に効くスプレータイプの薬剤を常備し、月に1度予防的にスプレーします。特にハダニには弱いので7~9月の暑い時期は鉢土だけでなく、株の上から葉ごと水をかける葉水を行います。また、水ぎれには要注意。真夏は朝夕必要な場合もあります。

1~2月になったら、小ぶりで深めの鉢に新しい園芸用土植え替え、握りこぶしよりやや大きいくらいに枝を切る剪定を行います。パティオローズであれば15㎝くらいの高さが適当です。剪定後は骨粉油かすが入った市販の有機質肥料を与え、鉢土が乾いたら水やりをします。2月下旬頃から再び芽を伸ばし、たくさんの蕾を付けてくれますよ。

【ガーデニング】秋バラを美しく咲かせるための夏剪定とは?/ミニバラ栽培ガイド(画像4)

水盤の隣に置いたミニバラの鉢植え。小さいので移動も自由自在。真夏でもぽつぽつと咲き続けて庭を彩ってくれます。

有機質肥料とは、植物や動物の有機物を原料とした肥料で、油かす、鶏ふん、魚粉などがその代表例です。土壌中の微生物が有機物を分解することで、植物が吸収できる栄養素がゆっくりと供給されます。この特徴により、化学肥料と比べて土を改良し、植物の健康的な生長を促す効果が期待できます。特にガーデニングでは、土壌の栄養バランスを整えたり、地力を持続的に保ったりする目的で愛用されています。一方で、効果が現れるまで時間がかかるため、計画的な使い方が望まれます。環境にも優しく、初心者からベテランまで幅広いガーデニ...

詳細を見る

植え替えとは、鉢植えや地植えの植物を別の場所や容器に移して育て直す作業を指します。生長に伴って根詰まりを起こしたり、用土の養分が不足したりした場合に必要で、植物の健康を保つために欠かせない手入れのひとつです。時期としては休眠期や生長初期が適していて、新しい用土や大きな容器、広い場所に植え替えることで根の活性化を促します。根の状態を確認しながら丁寧に行うことで、再び元気に育ちやすくなります。

詳細を見る

四季咲き性とは、特定の開花期をもたず、条件が整えば一年に複数回花を咲かせる性質を指します。​バラやベゴニアなどにこの性質をもつ品種があり、長期間花を楽しむことができます。

詳細を見る

化成肥料とは、チッ素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)などの成分を人工的に化学合成して配合した肥料で、植物の生長をバランスよく促進する目的で用いられます。多くは粒状または粉末状で市販され、成分の含有比率が明示されているため施肥設計がしやすく、園芸初心者からプロまで幅広く利用されています。ただし即効性が高い化成肥料は、与えすぎると肥料焼けを起こすこともあるため、緩効性を用いたり適量を守ることが大切です。

詳細を見る

油かすとは、菜種や大豆などの油を搾った後に残るかすで、チッ素分を多く含む有機肥料です。元肥や追肥として利用され、植物の葉や茎の生長を促します。ゆっくりと効き目が現れるため、長く栄養を与えたいときに適しています。ただし、施しすぎると発酵時に悪臭が出ることがあるため、量や場所に配慮が必要です。また、スイセンはチッ素過多になると、球根が分球しやすく花が咲きにくくなるため、リン酸分の多い肥料を施します。

詳細を見る

株立ちとは、一本の太い幹ではなく、根元から複数の幹が立ち上がる樹形を指します。自然な風合いが魅力で、雑木風の庭づくりに向いており、庭木としても人気です。代表的な植物にはアオダモやシマトネリコなどがあります。

詳細を見る

寒冷地とは、平均気温が低く、冬季に雪や霜が多く降る地域を指し、園芸においては栽培可能な植物が限られる環境です。北海道や本州内陸部などが該当し、霜害や冬越しの難しさが課題になります。寒冷地では耐寒性の高い宿根草や球根植物が重宝され、逆に熱帯性植物は室内での越冬が必要です。栽培カレンダーも地域ごとに調整が必要で、気候に合った植物選びがガーデニング成功の鍵となります。

詳細を見る

地植えとは、植物を鉢やプランターではなく庭の地面に直接植える方法のことで、根が土中に自由に広がるため株が大きく育ちやすく、水やりや肥料の持ちもよくなるといったメリットがあります。例えばバラや宿根草、樹木類などを長期間育てたい場合に適していて、植えつけの際には土壌の排水性や日当たり、風通しなどを考慮して場所を選ぶことが大切です。

詳細を見る

ハダニは、庭や鉢植えでよく発生する小さな害虫で、植物の葉裏に付着し汁を吸うことで被害を与えます。暖かく乾燥した環境を好み、特徴的な斑点模様や葉の変色、枯れを引き起こします。特にバラや観葉植物で被害が目立ち、防除には葉水や専用の薬剤が有効です。定期的な水やりや湿度の管理で予防を心がけることも重要です。

詳細を見る

骨粉とは、牛や豚などの動物の骨を高温処理して粉末状にしたリン酸質肥料で、おもに花や実のつきをよくする効果があります。即効性はありませんが、土壌にじっくりと効いてくる緩効性で、バラや球根植物、果樹などに多く用いられます。有機質肥料の一種として、堆肥などと併用することで、より健全な土づくりに貢献します。

詳細を見る

葉水とは、霧吹きなどで植物の葉に直接水をかけることをいいます。乾燥を防ぎ、ハダニなどの害虫対策にもなります。特に室内で育てている観葉植物は空気が乾燥しやすいため、葉水で適度な湿度を保つことが大切です。シリンジとも呼ばれます。

詳細を見る

肥料とは、植物が健やかに生長するために欠かせない栄養素を補給する材料のことです。おもにチッ素、リン酸、カリウムを三大要素とし、それぞれ葉の生長、花や実の形成、根の発達を助けます。有機質肥料と無機質肥料に分類され、有機質肥料は堆肥や骨粉など自然由来で、土壌改良にも効果的。一方、無機質肥料は成分が均一で即効性が魅力です。ガーデニングでは植物の種類や生長段階を考慮し、適切な肥料選びと施肥のタイミングが大切です。

詳細を見る

用土とは、植物を育てるために使う土のことです。植物の種類に合わせて、水はけ、保水性、通気性、栄養のバランスを考えてつくられています。園芸店では「観葉植物用」「野菜用」「多肉植物用」など、目的別の用土が販売されており、初心者でも使いやすくなっています。

詳細を見る

樹高とは、地面から樹木の最も高い部分までの高さを指す言葉で、庭木やシンボルツリーを選ぶ際の重要な目安となります。植物の種類や品種によって最終的な樹高には大きな差があり、適切な樹高を見極めて植栽することで、住宅や周囲の景観と調和したガーデニングが実現できます。また、生長のスピードや剪定のしやすさにも関わるため、メンテナンスの観点からも考慮すべきポイントです。

詳細を見る

品種とは、ある植物の中で、花の色や形、実の大きさなどの性質が、明らかに他の植物と異なる栽培植物のことです。園芸品種や栽培品種の略称です。

詳細を見る

剪定とは、植物の不要な枝を切り取る作業のことです。形を整えたり、風通しをよくしたり、枝分かれを促したりする目的で行われます。剪定を行う目的に合った正しい時期に行うことが大事です。

詳細を見る
画面トップへ移動