【認知症介護19年の体験談】つらいときの乗り越え方は? 息抜き法と支えのヒント
介護をされる側も、する側も、ストレスのたまる認知症介護。体験した先輩たちは、どのように大変だった時期を乗り切り、どのように息抜きや気持ちの切り替えをしていたのでしょうか? 今回は、4人の「ゆうゆう」読者の体験談をご紹介します。
『ゆうゆう』への投稿が、介護中の心の支えでした(A・Iさん 68歳/愛知県)
母の介護が一段落した途端、父に認知症の症状が出始めました。隣に住む長男家族の家を夜中の2時に訪問し「お風呂に入れさせて」と言ったり、大声で学校唱歌を歌ったり……。おむつをしていてもオシッコを漏らすようになり、とうとう私は父のお尻をたたいてしまいました。私自身が精神的に追い込まれていたようです。
その後入ったグループホームでは、職員さんに手を上げていたようですが、「大丈夫です、仕事ですから」という職員さんの言葉に救われました。介護中は『ゆうゆう』に投稿することが息抜きに。誌面の介護特集のアドバイスや同じような介護体験をしている人の言葉がありがたく、支えにもなりました。苦しかったこともあったけれど、両親が逝った今は、いい思い出となっています。
見守りがあれば認知症になっても暮らせると実感(えっこさん 55歳/東京都)
現在、訪問介護ヘルパーをしており、ともに認知機能が低下されたご夫婦のケアを週3回担当しています。レンジが物入れになっている、コンロの元栓を閉めて帰っても、ときどき開いているなどありますが、炊飯器は使えるし、洗濯や近所のコンビニへの買い物もご自身たちでできているよう。ご夫婦仲よく、にこやかに過ごされています。これからは認知症を患う方も増えていきそう。ご近所さん、介護従事者、家族など、周囲の見守りがあれば、住み慣れた家で長く生活を続けられるのではないか、と思っています。
