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51歳で若年性アルツハイマーと診断【YAYOIさん・55歳】が歌で見つけた生きる楽しみとは?

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ゆうゆう編集部

認知症になってから楽しい仲間に巡り合う

現在YAYOIさんは、月に1回ほどのペースでライブを行っている。高校時代にはヤマハのポピュラーソングコンテスト(ポプコン)で入賞経験もあるYAYOIさん。ライブで歌う歌は、好きなシティポップを中心に選曲している。

「アンコールを入れると12~13曲。歌詞は忘れてしまうので、譜面台を置かせてもらっています。歌詞を指でなぞりながら歌います」

お客さんにはちょっと失礼かしらねと言いながらも、音楽の話をするYAYOIさんはとても楽しそうだ。理解あるお客さんに恵まれています、と感謝を口にする。

歌を通して前を向けるようになり、音楽活動を始めてから、YAYOIさんの周囲には支えてくれる人が次々と現れた。

「今日の取材にもサポートの方が同行してくれています。自分のスケジュールを忘れてしまうので、いつも『明日は○時に××のイベントがあります』『持ち物はこれとこれです』などと、記録が残るよう前日と当日に連絡をくれるんです。彼女たちがいなかったら、ライブ活動も続けられないと思います」

取材をそっと見守っていた、支援者のおふたりにも話を聞いてみる。

「YAYOIさんは、話していてとにかく楽しいんです。一緒にいて、いつもワクワクさせてもらって面白がっています」

「サポートは、まったくのボランティアとして活動しています。YAYOIさんは、この人の力になりたい、支えたいと思わせる魅力のある方なんです」

認知症になったら何もできなくなってしまう。社会生活は送れない––––そんな偏見をすべて打ち砕いて、YAYOIさんとお仲間たちは生き生きとしている。みんなでおしゃべりしながら、「これをやったら楽しいね」「こんな商品を作ってみない?」と、歌以外の企画が次々に打ち出されていく。

「一緒にワイワイできる方たちの存在は、本当に心強い。病気にならなければ、彼女たちとこんなふうに活動することもなかったんですよね」

認知症の私だからこそできることがある!

51歳で若年性アルツハイマーと診断【YAYOIさん・55歳】が歌で見つけた生きる楽しみとは?(画像6)

「弥生」の文字は江別市在住の書家によるもの。

ほっかいどう希望大使の役割は、認知症でも希望をもって暮らせると発信すること。YAYOIさんは支援者とともに、商品プロデュースも行っている。写真の841(やよい)コーヒーは伝七珈琲の代表オーナーが、活動を応援して3種類の豆を絶妙にブレンドしてくれた自信作だ。他にもクッキーやポシェットなど、仲間たちと次々に企画を練っている。

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