ザ・タイガースの脱退後21歳での決意【77歳・加橋かつみさんのターニングポイント#3】忘れられない母の言葉とは?
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藤岡眞澄
忘れられない「母の言葉」
——加橋さんご自身のブログに「僕は子どもの頃から、何が真実なのか、何が嘘なのかをじっと見る子でした」という一文があります。そんな加橋さんを育てたお母さまはどんな方だったのでしょう?
母は師範学校を卒業した児童心理学の専門家で、新制高校の教師をしていました。戦地に送り出した教え子の戦死の知らせが届く、そんな時代です。
戦後は平和運動や民主教育活動に力を注ぎ、長年にわたり日本の女性による平和運動に携わっていました。
小さい頃の僕は、ふだんは物静かで大人しいんだけれど、怒り出すと手が付けられない癇癪持ちだったんです。いじめっ子を見つけては、毎日のようにケンカして帰る。すると、母は黙って菓子折りを持って謝りに歩いていました。
少し大人になってから、「なんで僕に文句を言わなかったんだ?」「叱らなかったんだ?」と聞いたら、たったひと言、返ってきた答えが「あなたのことを信じているから」。忘れられない母の言葉です。
忙しくて家にあまりいなかったのに、僕のことを見ていたんですね。
——すばらしいお母さまですね。
75歳で亡くなったんですけれど、母と僕はずっと“友達”みたいでした。何かあったときにも、相談するのではなくて、何でも話していましたね。
僕にとってはそれが当たり前だったけれど、今思うと、とても価値のあることだったんだと思います。
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