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肌寒くなってくる時期の「お風呂でのウトウト」が命取りに!法医学者が警告する入浴中の重大リスク

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高木徹也

入浴中にウトウト……それ、気絶です! 

入浴中にウトウトしてしまうことがありますよね。 

実のところ、あれは居眠りではなく「気絶」です。お湯の温熱作用によって血管が拡張し、血圧が低下し、脳への血流が低下したことで意識を失った状態なのです。医学的にこの状態を「一過性脳虚血」と呼んでいます。 

それでも若い人は自律神経の反射が俊敏なので、すぐに交感神経が反応して脳血流が復活し、「おっと、寝ちゃった」と目が覚めるため、大事には至りません。 

ところが、自律神経反射が遅延している65歳以上は、すぐに交感神経が反応せず、意識を回復することなく浴槽内に沈んでしまうのです。 

さらに感覚機能の低下も、入浴中の死亡に関与していると考えています。 

温泉施設や銭湯で、ものすごく熱いお湯に平然と浸かっている高齢者がいますよね。あれは慣れや根性の問題ではなく、熱さに対しての感覚が鈍くなっているのです。 

ただ、熱さへの自覚が乏しいというだけで、体内はしっかり熱さを認知しています。そのため、高温によって血管が一気に拡張し、気絶してしまうのです。 

実際、入浴中に死亡した65歳以上の人の大半が、設定温度を高くしていたと報告されています。

【このような危険を避けるには……】

・入浴前に食事や飲酒をしない。
・脱衣所や浴室をあらかじめ暖かくしておく。
・設定温度を高くしすぎず、入浴中は家族にこまめに声をかけてもらう。

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※この記事は『こんなことで、死にたくなかった 法医学者だけが知っている高齢者の「意外な死因」』高木徹也著(三笠書房刊)の記事を、WEB掲載のために再編集したものです。

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