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運動が続かない理由は「意志の弱さ」ではなかった!「運動しない」習慣を「運動する」に変えるには?

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ゆうゆう編集部

やる気満々で運動を始めたのに、結局三日坊主で終わってしまう。そんな経験は誰にでもあるだろう。しかし、その原因は性格や意志の弱さではないと断言するのが、日本で唯一「習慣化」を専門に教えるコンサルタントの古川武士さんだ。約5万人の育成経験を持つ古川さんが明かす、習慣化の真のメカニズムとは。

PROFILE
古川武士さん ・習慣化コンサルタント

ふるかわ・たけし●1977年大阪府生まれ。約5万人の育成と1000人以上の個人コンサルティングの経験から「続ける習慣」を重視し、オリジナルの習慣化理論・技術を開発。25冊の著書は累計120万部を超え、各国語に翻訳されている。主な著書に『30日で人生を変える「続ける習慣」』など。

運動が続かないのは、生き物として自然なこと

数々の挫折例を目にしてきた古川さんは、運動習慣が続かない理由について明快に語る。

「運動や節約、片づけなど、チャレンジはするけれど続かない人は少なくありません。その原因は、性格や意思の弱さとはそれほど関係ないのです。習慣化したいことがなかなか続かないのは、私たちの本能のしわざ。実は生き物として自然なことなんですよ」

古川さんが指摘する真犯人、それが「習慣引力」である。聞き慣れない言葉だが、私たちの行動を左右する重要なメカニズムだという。

「習慣引力は、いつも通りの行動を無意識のうちに続けようとする力。これは安全、安心、安定を保つために大切な機能です。朝起きたら顔を洗って歯を磨いて、という行動を無意識にできるのは、この習慣引力のおかげなのです」

脳が新しい変化を拒絶する理由

しかし、この習慣引力には厄介な面もある。

「その反面、習慣引力は変化が嫌い。新しく始めたことをやめさせて、いつも通りのパターンに引き戻そうとします。これが習慣化に失敗する最大の原因です」

つまり、運動を始めても続かないのは、脳が「いつも通り」を維持しようとする自然な反応だったのだ。古川さんは、この現象をさらに詳しく説明する。

「人間の脳は習慣というものを、タイミングとともに覚えているんです。例えば朝起きて1日の計画を立ててなくても、途方にくれることってないですよね。それは自動操縦されているということ。つまり、無意識が私たちをコントロールしている。その中に入ってないものは基本、『そのプログラムはないよ』ということになるのです」

デフォルト設定を変えることの難しさ

古川さんは具体的な例を挙げて説明する。

「例えば運動をしていない人にとっては、『運動しない』がデフォルト設定なんです。それを『運動する』にデフォルト設定をもっていくというのが、習慣化で一番のポイントになんです」

このデフォルト設定を変更するには、脳に「運動した」という実績を繰り返し刻み込む必要があるという。

「運動したという脳へのすり込みが、繰り返しされるほど覚えていくわけです。デフォルトを覚えさせるのに重要なのは、0の日を作らないということ。やらない日が4日5日続いたら、デフォルト設定がやらない方向に戻ってしまうのです」

言い訳は脳の防御システム

運動をやめてしまう時、私たちはさまざまな理由を考える。「時間がない」「疲れている」「雨が降っている」などだ。しかし、古川さんはこれらの理由の正体を暴く。

「時間がないとか、今日は疲れてるからとか、雨が降ってるからとか、いろんな理由をつけてやめる理由を考えるのですが、それはほとんどが人間の中にある現状維持システムで起こることなんです。基本現状維持をしたいという我々の脳の機能がいろんな手をかえ品をかえ、言い訳の理由を作っているということです」

つまり、「時間がないから」「雨が降ってるから」というのは理由ではなく、脳が単純に抵抗しているサインなのだ。

「やらないのがデフォルト習慣でしょと。運動する習慣というのはデフォルトではないので、それは習慣とは認めませんと。無意識の部分がこう訴えかけてきている。意識は変わりたいと思ってるから運動しろ、運動しろというわけですが、無意識の部分はいつも通りじゃないから、いつも通りの習慣を必死に回そうとしてくるんです」

習慣化が困難な理由を科学的に解明した古川さんの理論は、多くの人が抱える「また続かなかった」という自己嫌悪から解放してくれる。次回は、この習慣引力に打ち勝つ具体的な方法について紹介する。

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