医師が語る【運動負債】の恐ろしい影響。「風邪で寝込んだだけで認知機能が落ちる」改善のカギは【ウォーキング】!?
筋肉と同じように、歩くことで脳も強化することができる―。そう話すのは、脳の専門医・加藤俊徳さんです。脳が若返り、心身の不調が改善するウォーキングのメカニズムをご紹介します。
お話を伺ったのは
加藤俊徳さん 加藤プラチナクリニック院長
かとう・としのり●脳内科医、医学博士。
脳科学・MRI 脳画像診断の専門家として、これまで1万人以上の診断、治療を行う。また著書を通じて、脳を元気に保つための方法をわかりやすく伝えている。
著書に『最強のウォーキング脳』(時事通信社)他。
その不調、実は脳のSOSサインかも!?
最近、なんとなく疲れやすい、やる気が出ない……。年を重ねるにつれ、誰もが心や体の変化を感じるもの。でもその不調、年のせいだと諦めていないだろうか。
「皆さんが感じている不調の原因は、実は脳にあるのです」
そう語るのは、これまで1万人以上の脳を診断してきた脳内科医の加藤俊徳さんだ。
「原因不明の不調に悩み、クリニックに来られる患者さんの脳をMRIで検査すると、脳が萎縮していたり、脳の特定の場所だけが過剰に使われていたりするなど、何らかの異常が見つかる場合が少なくありません。慢性的な疲れやモチベーションの低下を感じたら、まずは『脳に原因があるのかも?』と疑うことが大切です」
心や体の不調の原因が「脳」にあると言われても、すぐにはピンとこないかもしれない。だが、そこが問題だと加藤さんは指摘する。
「先ほど言ったとおり、原因不明の不調は脳の機能低下が関係しているケースがとても多いんです。しかし脳は痛みを感じないため、トラブルが発生しても気づきにくい。その結果、イライラや気力の低下、疲れといった症状があってもまさか脳が原因とは思わず、多くの人が放置してしまうのです」
脳の機能が低下していると聞けば、誰もが不安になるだろう。だが心配は無用。
「不調の原因が脳にあるかもと気づけたなら大丈夫。あとはウォーキングを習慣にするだけで、自然と改善していきますよ」
脳と歩くことにどんな関係が? 詳しく聞いていこう。
