70歳でチアダンス大会にも出場!【庄野真代さんのターニングポイント#3】その原点は中学の生徒会活動!?
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恩田貴子
あのときに感じた“チームの熱”が行動の根底に
自分が主役になるのではなく、仲間と共に何かを作り上げる喜び。庄野さんにとって、それは格別の“栄養”なのだろう。誰かと一緒に何かを成し遂げること。その原点を辿ると、中学時代の生徒会活動に行き着くという。
「私、中学生のときに生徒会長をやっていたんです。女子で初めての生徒会長だったからか、男子生徒から『女のくせに』なんて反発されたこともあって。泣きたいくらい悔しい思いもしました。でもね、生徒会活動そのものはすごく燃えていたんです。たとえば、仲間と一緒に校則の見直しに取り組んだり」
当時の校則では、男子の髪型は丸刈りと決まっていた。それを変えるため、生徒たちの意見をまとめ上げ、教師たちを説得し、ついに男子の長髪が認められたという。
「自分だけが覚えていることだと思っていたら、最近、SNSで当時の同級生が、『庄野が校則を変えてくれたから、俺たちは髪を伸ばせたんだ』って書いてくれているのを見つけて。『あぁ、本当にやったんだ』ってうれしくなりましたね。一人では微力でも、みんなで力を合わせれば、何かを変えられる。そのときに感じた“チームの熱”みたいなものが、私の行動の根底にあるのかもしれません」
つくりたいのは子どもも大人も“疲れない場所”
そしてもう一つ、庄野さんの根っこにあるのが、助け合いの精神だ。その原点は、少女時代に見た母の姿にあった。
「私が小学生の頃、給食費が払えず、お昼の時間に校庭で遊んでいる子がいたんです。それを母に話したら、『じゃあ明日から、みんなうちに連れてきなさい』って。母は家に連れてきた子たちに、当たり前のようにごはんを食べさせていました。当時は『なんでそんなことをするんだろう』って不思議に思っていたけれど、後になって気づきました。あれは助け合いの気持ちだったんだなって」
そんな母の記憶は現在、地域の子どもたちや働く親たちを支える「子ども食堂 しもきたキッチン」の活動へと繋がっている。
「2018年から続けている子ども食堂の活動は、私一人では絶対にできなかったこと。『きゅうりがたくさん採れたから』と送ってくださる農家の方や、調理を手伝ってくれるボランティアの方々も含め、みんなの思いが集まって成り立っています。今、心が疲れてしまっている人が多いですよね。働いているお母さんが、仕事から帰ってきて子どもを叱りながらごはんを作るんじゃなくて、たまには誰かが作ったごはんをみんなで笑って食べる。そうやって子どもだけじゃなく、みんなの心の負担を軽くする場所になれたらいいですね」
今は不定期開催となっているが、食事会や食料品の配布などを通じて、繋がりを保ち続けている。
「ここでもやっぱり、みんなと一緒にごはんを食べて、笑顔になる人たちを見るのが私の一番の喜びなんです。『ちょっと疲れたなぁ』と思うときはもちろんあるけれど、みんなの笑顔を見ることができたら私のエネルギーチャージは完了(笑)。こうやって誰かと手を携えて、笑顔を交換し合う。それが私の人生を豊かにしてくれているんだと思います」
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