【荻原博子さん】お金を楽しく使いながら老後資金を守る方法とは?「安易な投資と早朝のテレビショッピングには要注意」
老後のお金、これで十分なのか? は、誰にとっても悩みのタネ。荻原博子さんは「健康が一番の老後資金対策」と言います。今あるお金を守りながら、楽しく使うためのコツを聞きました。
荻原博子さん 経済ジャーナリスト
おぎわら・ひろこ●1954年長野県生まれ。
新聞や雑誌、ネットなどで経済記事を執筆する他、テレビ・ラジオのコメンテーターとしても活躍。
『お金が貯まる健康習慣』(鎌田實氏との共著/主婦の友社)など著書多数。
「老後資金2千万円問題」は気にしなくて大丈夫
「皆さん『老後のお金が心配』って言いますけど、ゆうゆう世代は十分な老後資金を持っている人が圧倒的に多いんです。特に70代は家のローンの返済が終わり、子どももすっかり大人。標準的な年金額(夫婦で月額約23万円)なら、寿命まで十分暮らしていけますから、まずは安心して!」
荻原博子さんはそう言うが、以前話題になった「年金だけでは老後資金が2千万円不足する」という「老後資金2千万円問題」は大丈夫なのだろうか。
「あれはあくまで夫65歳・妻60歳の無職の夫婦の例です。実際には65~69歳の男性の63%は働いていますし、女性だって半数近くは仕事をしています。70代でも働く人は年々増えていますから、2千万円も不足するとは思えません」
荻原さんは71歳になるが、まだまだ現役だ。
「多少ペースダウンはしていますが、仕事で動き回っていることが私の元気の源なんです。仕事って体だけでなく脳も使いますから認知症予防になりますし、社会性も失わずにすみます。『ゆうゆう』読者の皆さんにも、週2~3日程度のアルバイトはおすすめです。健康維持のためにも、年金不足の不安解消のためにも、ストレスにならない程度の仕事がいいですね」
老後資金に不安がある場合、「投資で増やす」というのが最近の風潮だが、荻原さんは安易な投資に警鐘を鳴らしている。
「ここ数年、国が先頭に立ってNISAやiDeCoなどの投資をすすめていますが、安易に流れに乗っちゃダメ。投資の世界はリターンが大きい半面、リスクも大きい。老後資金をすべて投入して無一文になったとしても、国は一切責任をとりません。若い人であれば長期投資で取り戻せるかもしれませんが、シニアにはそんな余裕はないんです」
投資ブームに乗じた詐欺や悪徳商法も横行している。
「『絶対に儲かる』『1年で〇倍に増える』などという言葉にだまされないでくださいね。AIが作ったニセモノによる詐欺も増えていて、フェイスブックには荻原博子が300人くらいいるそうです(笑)。私はSNSをしていませんし、投資もすすめていないので信じないで!」
