【荻原博子さん】お金を楽しく使いながら老後資金を守る方法とは?「安易な投資と早朝のテレビショッピングには要注意」
日本人は亡くなる直前が一番お金持ちなんです
荻原さんは常々「老後資金を守るためには、健康でいることが大事」と話している。
「医療や介護のお世話にならなければ、老後資金として高額のお金を貯める必要もありません。ただし『健康のため』と言って、サプリや健康器具などにお金を使いすぎてしまっては本末転倒ですよ。とくに早朝のテレビショッピングは要注意です。早起きの高齢者を狙って、高額商品が次々に紹介されているんです。でも、栄養は普段の食事でも十分とれるし、ウォーキングやスクワットを毎日続けることでも健康は維持できると思いますよ」
荻原さんは「増やす・貯める」だけでなく、介護や医療に必要な分を残して「楽しく使う」ことも提案している。
「日本人の場合、亡くなる直前が一番お金持ちなんです。以前、孤独死した方の家の特殊清掃をする会社の人に聞いたのですが、故人の部屋に残されたお金は年間で合計3億~4億円にものぼるそうです。せっかく貯めたお金なのに、使うことなく死んでいくなんて、あまりに残念です」
荻原さんの、元気で長生きするためのお金の使い方は?
「旅行ですね。ひとり旅もいいし、孫や娘とファミリー旅行もいい。おいしいものを食べて、美しい風景を見ると、幸せホルモンのセロトニンがたっぷり出ますよね。動くことで足腰も鍛えられるから健康にもなります。お金を使えば、返ってくるものも多いと思いますよ」
健康は最高の節約! 荻原さんの健康習慣
朝1時間のウォーキング
荻原さんは朝1時間、夕方30分、犬の散歩がてらウォーキングする。「2匹の犬が朝5時に私を起こしにくるのでサボれないんです」
主食は玄米。食材は自然農法のもの
主食の玄米と野菜は無農薬や有機栽培のもの。「値段は少し高いけれど、皮も葉っぱも食べられるし、栄養価も高いので結果的におトク」
ケールの青汁を愛飲
有機栽培のケールを搾って作った冷凍青汁を定期購入。「祖父母が手づくりの青汁で高血圧を改善させていたので、私も見習っています」
お酒は控えめでぐっすり眠る
大事にしているのは睡眠。夜9時にはベッドに入り、ドラマを見ながら寝るのが楽しみ。数年前にお酒をやめてから睡眠の質も向上。
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撮影/柴田和宣(主婦の友社)
取材・文/神 素子
※この記事は「ゆうゆう」2026年1月号(主婦の友社)の記事を、WEB掲載のために再編集したものです。
