「夫が突然亡くなり、ひとり暮らしに。今後、どうやりくりする?」今すぐできる【支出の見直し】をFPが解説
【アドバイス】手元の資金で今後の赤字をまかなえるか冷静に判断し、家計を改善しつつ、将来に備えて子どもと情報共有を
昨年、心筋梗塞で夫を亡くした明美さん。「頼りにしていた夫が突然いなくなって何もする気が起きず、パートも週1回に減らしてしまいました」と、話す。
年金が夫婦二人のときの20万円から13万円台に減ったうえ、パート代も8万円から3万円に。「今は黒字ですが、仕事をやめたら、2万円以上の赤字に……。今後が不安でたまりません」
畠中さんは、「年金生活で大事なのは赤字額より、準備した老後資金でその赤字がまかなえるかどうか。明美さんの場合、特別支出を合わせると年間の赤字は約50万円ということなので、95歳までの30年間で1500万円が必要。手持ちの1800万円では心もとないので、今から月1万円出費を減らしましょう。それで、30年間で360万円も貯蓄を温存できます」と提案。
たとえば白髪染めを美容院から割安なカラー専門店に変え、テレビ通販での買い物を見直して各5000円減を目指そう。「気力が戻ったら、元気なうちは働いて貯蓄を増やすとなお安心です。そのうえで、将来の介護施設への住み替えに備えて、お子さんたちと話し合いを。不安がグンと軽くなりますよ」
生涯安心して生活できる家計のコツを伝授!
遺族厚生年金は夫の老齢厚生年金の報酬比例部分の3/4 が受け取れます
厚生年金加入者の夫が亡くなると、妻は「遺族厚生年金」を受け取れる。
「金額は、『夫の老齢厚生年金の報酬比例部分の3/4』。たとえば、夫の年金が15万円(老齢厚生年金8万円+老齢基礎年金7万円)とすると、遺族厚生年金は8万円の3/4の6万円。それに自分の年金を加えた額が、夫亡き後の年金額です。『夫の年金の半額がもらえる』と思い込んでいる人が少なくありませんが、誤った知識は危険!“転ばぬ先の杖”で、夫婦とも元気なうちにおひとりさま期の年金を予想しておきましょう」
【ポイント】
夫婦とも元気なうちに、一人になったときの年金額をリサーチ。
将来の介護施設への「住み替え」を想定し、今からできる準備を
将来、要介護になったときを見据えて、施設への「住み替え」を検討しよう。
「無理のない月額利用料は、年金額+1~2万円が目安。市街地は高額になりがちなので、郊外などに候補地を広げて予算に合う施設を探してみましょう」。
同時に、普段から貯金などの資産を一覧表にしておき子どもと情報を共有しておくと、急な事態でも子どもがあわてず対応できて◎。
「認知症になると子どもでも資産が動かせなくなるので、家族信託で財産を子ども(受託者)に託しておくのもおすすめです」
【ポイント】
子どもと資産状況を共有して、認知症や要介護状態に備えよう
分割払いでお得に感じやすいテレビ通販は、冷静な利用が◎
「夜眠れなくて、テレビ通販でつい健康食品やキッチン用品などを買ってしまう」という明美さん。分割払いで手軽に思えるが、3つの商品の支払いが月1万2000円にも。
「『受付は〇時まで』『今だけ安い』などとあおられても、すぐ買わないこと。1日置けば、たいてい熱がさめていらないと気づくものです。それでも欲しい場合は、ネットで同じような商品の価格を比較して安く買うほうがお得」
【ポイント】
「欲しい!」と思ってもすぐ注文するのはNG。1日置く習慣を
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取材・文/横田頼子 イラスト/タナカユリ
※この記事は「ゆうゆう」2026年5月号(主婦の友社)の記事を、WEB掲載のために再編集したものです。
