母と娘は無理に仲よくしなくていい––––カウンセラー横山真香さんに聞く、心を守る「境界線」と距離感の整え方
介護や子の自立を機に、母と娘の関係性に悩みを深める女性へ、カウンセラーの横山真香さんは「無理に仲よくしなくていい」と語ります。自分を守る境界線の引き方を知り、心地よい関係を築くヒントを伺いました。
お話を伺ったのは
横山真香さん 母娘関係改善カウンセラー
よこやま・しんこ●メンタルケア心理士。母娘問題専門のカウンセラーとして活動する他、母娘関係や自己肯定感に関する講座などを主宰。著書に『あなたは、もっとラクに生きられる 長女が“母の呪縛”から自由になる方法』(大和出版)。
性格が合わないなりにうまくつき合える方法を見つければいい
「母」や「娘」に対して、人に言えないモヤモヤを抱える女性は少なくない。母娘問題専門のカウンセラーとして活動する横山真香さんは、ゆうゆう世代は母娘間の問題が表面化しやすい時期だと話す。
「母と娘の関係は、物理的に距離が離れているときはうまくいくもの。たとえば娘さんが就職などで実家を離れている間は、いい関係でいられます。ところが親の介護や生活のサポートが始まると距離が密接になり、互いのわがままや不満がぶつかり合いやすくなってしまうんです」
母親にやさしくしたいのにできない、娘が遊びに来るとイライラしてしまう……。そんな自分に気づいたとき、親や子どもを思う人ほど深刻に悩んでしまうだろう。しかし、20年以上母と娘の問題に寄り添ってきた横山さんは、穏やかにこう語る。
「解決方法はとてもシンプル。難しく考えなくていいんですよ。まず、相手を一人の女性として見ることを意識してみてください。お母さんであっても娘さんであっても、一人の女性なのだとリスペクトをもつ。すると相手を冷静に見ることができ、性格や傾向が理解できるようになります。『この人はこういう性格なんだ』とわかれば、『性格が合わないんだな』というシンプルな結論にたどり着くはずです。合わないのだからしょうがないと、開き直っていいんです。性格が合わないなりにうまくつき合える方法を探して、自分の心が苦しくならない距離感を見つけていきましょう」
Q「母娘関係」の特徴は?
A 境界線が曖昧で「人格の混同」が起こりがち
「母娘は同性ゆえに『言葉にしなくてもわかり合える』という思い込みが強く、その背景には相手を自分の延長とする『人格の混同』が起こっています。期待が裏切られたときの憎しみが深くなるのはそのため。また長女の場合、幼い頃から母のよき理解者であることを求められ、期待に応えたい気持ちとその役割を負担に感じる思いの狭間で苦しむケースも」
