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親の「最期は家で」にどう向き合う?説得しない会話のコツと、支援の整え方

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川内 潤

「親のために」と思ってしていることが、実は親子を苦しめる原因になっているかも! 介護では、先回りして世話を焼くことが、必ずしもよい結果につながるとは限らないのです。これまで当たり前とされてきた介護の常識が、いま大きく変わりつつあります。介護のプロ・川内潤さんの新刊『介護前夜の教科書 親と自分の人生を壊さないための備え』(講談社刊)からお届けする第4回は、親の「家で死にたい」にどう向き合うか。

Q. 親の「家で死にたい」という希望に、どう向き合うべき?

A. 希望を大切に受け止め、医療・介護職と一緒に実現方法を考える。家族だけで背負わない

多くの高齢者が「最後は家で死にたい」と口にします。それを聞いた家族は「なんとかその希望を叶えなければ」と焦り、大きな介護負担を抱えてしまうことが少なくありません。

家で最期を迎えるということは、実際には非常に難しいものです。介護をほとんど必要とせず、直前まで元気に暮らす、いわゆる「ピンピンコロリ」ができる方は、それほど多くはありません。自宅で最期まで過ごすには、訪問診療や訪問看護、介護サービス、急変時の連絡先など、支援体制を整える必要があります。ただし、地域や病状によっては希望どおりにいかないこともあり、家族だけで担おうとすれば負担が大きくなる場合もあります。

一方、必要な医療・介護の支援が整えば、自宅で苦痛を和らげながら過ごすことも可能です。自宅・施設・病院のどれかを最初から正解と決めず、本人と家族、医療・介護職で話し合いながら考えていきましょう。私はこれまで多くのケースを見てきましたが、「家で死ぬ」ということは、決して綺麗ごとでは済まされません。家族にも本人にも、それなりに現実を受け入れる心構えや覚悟が求められます。

本当に最期まで自宅で過ごすことがその人にとって一番幸せな選択なのかどうかは、簡単には判断できない部分があります。親の言葉を額面通りに受け止めて「家で看取らねばならない」と家族が自分自身を追い詰める必要はありません。

親の「家で死にたい」という言葉には、実はたくさんの意味があります。「大切なふるさとだから」「家族が設計してくれた家だから」などといった愛着の側面、その裏に、「施設に入ってまでこれ以上みんなに迷惑をかけたくない」「お金を使わせたくない」「知らない場所で暮らすことが不安」という、複雑な本音や気遣いが隠れていることも少なくありません。

親の本音を知るためには、「どうして家で最期を迎えたいと思うの?」と率直に聞いてみましょう。これは、親が何を大切にし、何を不安に思っているのかを知るためです。そのとき、「このまま家で暮らすのは無理だよ」「施設のほうが安心だよ」などと説得はしないように気をつけます。

「家でどんなふうに過ごしたい?」「何が変わるのがいちばん不安?」と尋ねると、「家で死にたい」という、言葉の奥にある本人の希望が見えてくることもあります。

家族だけでは聞きにくい場合は、ケアマネジャーなど、本人と信頼関係のある専門職に相談してみましょう。家族とは違う角度から本人を見ているからこそ、本人が大切にしていることを引き出してくれる場合があります。

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