柳楽優弥×川栄李奈が語る映画『RYUJI 竜二』 家族と仲間の間で揺れる男の「楽じゃねえな」
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恩田貴子
1983年に公開され、今なお多くの人に愛され続ける映画『竜二』が、時を経て『RYUJI 竜二』として生まれ変わります。主演を務める柳楽優弥さんと、竜二の妻・まり子を演じる川栄李奈さんにお話を伺いました。
「強い男」に見える竜二が、実は迷い、揺れる理由
「楽じゃねえな」。柳楽優弥さんは、自身の主演映画『RYUJI 竜二』のポスターにも使われている、この言葉が好きだという。ヤクザから足を洗い、家族を愛しながらも、かつての弟分たちとの絆も大切にする竜二。どちらも守りたいからこそ、彼は揺れ続ける。そんな竜二を演じた柳楽さんと、妻・まり子役を演じた川栄李奈さんに、このセリフに対する思いを聞いた。
Profile
柳楽優弥さん 俳優
やぎら・ゆうや●1990年生まれ、東京都出身。2004年、映画『誰も知らない』で俳優デビュー。主な出演作に、映画『ディストラクション・ベイビーズ』『浅草キッド』、ドラマ『ガンニバル』シリーズ、『ライオンの隠れ家』『九条の大罪』など。水田監督とのタッグは、ドラマ&映画『ゆとりですがなにか』シリーズ以来となる。
川栄李奈さん 俳優
かわえい・りな●1995年生まれ、神奈川県出身。2015年にアイドルグループ「AKB48」を卒業。ドラマや舞台へと活躍の場を広げる。主な出演作に、NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』、NHK大河ドラマ『青天を衝け』、ドラマ『となりのナースエイド』『ダメマネ!-ダメなタレント、マネジメントします-』、『フェイクマミー』、映画『変な家』『ディア・ファミリー』、舞台『千と千尋の神隠しSpirited Away』など。
柳楽 いいセリフですよね。「楽じゃねえな」って。すごく好きなセリフでした。竜二は、それぞれの家族に対して愛情をしっかり持っているんですよね。そのうえで、真剣に迷っている。明確に答えが導き出せない時って、やっぱりあると思うんです。竜二を演じていて、本当に「楽じゃねえな」と感じましたし、その瞬間を真剣に生きている男なんだなと思いました。
川栄 家庭があり、そこを大切にするのもわかるんです。でも、ずっと苦楽をともにしてきた弟分たちのことを考えたら、そっちも大切で。私も割と男脳なので、「その気持ち、めちゃくちゃわかる!」と思いました。
––––一見すると、仁義を重んじる強い男。けれども柳楽さんから見た竜二は、決して「揺るがない男」ではない。
柳楽 堅気になってしばらく経ったころ、遊びに来た昔の弟分に「俺も変わっただろう」と竜二が聞くシーンがあるんです。家族を大切にすることがもちろん正しいのだけれど……、竜二は何を確認したかったのか。
川栄 不安や、周りに認めてほしい、という思いもあったのかもしれませんね。
柳楽 意外と、自分の軸がないのかもしれないな。だって軸がしっかりあったら、揺れてないですもん(笑)。ヤクザで、弟分を持つようなポジションにいたら、不動の精神を持つ人物なのかなと思うじゃないですか。でも、竜二はすごく生っぽいというか。狭間で揺れるようなところに共感できましたし、そういうところに人間らしさを感じていましたね。
––––竜二が揺れているのは、家族と弟分の間だけではない。彼が生きる1980年代は、社会も、ヤクザの世界も、大きく変わろうとしていた時代だった。そして今、私たちが生きる現代もまた、AI革命やテクノロジーの進化によって、時代が大きく変わろうとしている。柳楽さん、川栄さん自身は、いま自分たちが生きている“時代の過渡期”をどう感じているのだろう。
柳楽 これ、僕もみなさんに聞きたいです。『ゆうゆう』読者は、50代から80代くらいの方だと伺ったのですが、読者世代の方々は、もしかしたら割と冷静に俯瞰できていらっしゃるのかもしれませんね。「時代についていかなくちゃ」という焦りはないんですが、アンテナは張っておきたいなと。といっても、今はAIを使ってみようとか、その程度ですが(笑)。“時代の転換期”みたいなことはよく言われますけど、翻弄されてもいけないし、無頓着でもいけないし。だから、「意識はしている」くらいがいいのかなと思っています。
––––では川栄さんは?
川栄 AIなどとは違う話になってしまうのですが、私は時代が変わったことで「過ごしやすくなったな」と感じていて。昔は何かにつけて、「男だから」「女だから」と言われていましたよね。たとえば子育てや家事は女がするものだ、とか。両親は共働きだったんですが、父は家のことはまったくやらず、母が当たり前のようにやっていたんですね。私は小さいころからずっと、「みんなでやればよくない⁉」と思っていたので、そういうことがなくなってきた今の時代のほうが、過ごしやすいなって。もっともっと、みんなが平等になるといいですよね。
【Information】映画『RYUJI 竜二』
1983年に公開され、脚本・主演を務めた金子正次の遺作として伝説となった映画『竜二』が、43年の時を経て蘇る。舞台は80、90年代の新宿・歌舞伎町。ヤクザの竜二は、恋人・まり子と息子との暮らしを守るため堅気になる決意をするが、手に入れた“普通の日常”は思うようにはいかない。そんななか、かつての仲間たちとの絆や因縁が竜二を揺さぶり……。
●原作/金子正次『竜二』 ●監督/水田伸生 ●脚本/冨岡淳広
●出演/柳楽優弥、川栄李奈、萩原利久、JUNON(BE:FIRST)他
●10月30日(金)より全国公開
●企画・プロデュース・制作/セディックインターナショナル
●配給/カルチュア・パブリッシャーズ
●公式サイト/https://www.culture-pub.jp/ryuji_movie/
Ⓒ2026「RYUJI」製作委員会
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撮影/池田博美
スタイリング/池田尚輝(柳楽さん)、武久真理江(川栄さん)
ヘア&メイク/勇見勝彦(THYMON Inc.・柳楽さん)、KOBA(PUNCH・川栄さん)
取材・文/恩田貴子
