「どうする家康」第4回の登場人物の年齢。お市の方(北川景子)はまだ10代⁉ 家康、信長、秀吉は?
公開日
更新日
鷹橋 忍
徳川家康というと、どういうイメージをもっていますか? 2023年のNHK大河ドラマ「どうする家康」では、どんな家康が描かれるのでしょうか。戦国武将や城、水軍などに詳しい作家 鷹橋 忍さんに、知られざる徳川家康の姿や時代背景などについてひも解いていただきましょう。
清須城での家康、信長の会談はなかった
大河ドラマ『どうする家康』第4回「清須でどうする!」では、ムロツヨシさん演じる豊臣秀吉(木下藤吉郎)や、北川景子さんが演じるお市の方など、有名な人物が初登場しました。
ドラマではどうしても、登場人物が何歳くらいなのかわかりにくいので、今回は、第4回で織田信長と同盟を結んだ永禄5年(1562)当時の主要登場人物の年齢から、ご紹介したいと思います。
なお、通説では永禄5年正月に、ドラマのように家康が尾張清洲城を訪れて信長と対面して盟約を結んだとされてきましたが(清須同盟)、史料で確認できず、当時は対面できるような情勢でもなかったことなどから、現在では清洲城での会談はなかったというのが、研究者の間でほぼ一致した見解です。
お市の方はまだ十代だった?
それでは、永禄5年当時の主要登場人物の年齢をみていきましょう。
まず、松本潤さん演じる家康は、21歳(数え年 以下同)でした。
岡田准一さん演じる織田信長は29歳です。
秀吉の生年は諸説あり、定かではありませんが、有最も有力とされる天文6年(1537)生誕説で計算すると、26歳となります。
お市の方の生年は、通説では天文16年(1547)とされますが、こちらも定かではありません。黒田基樹氏は、天文19年(1550)頃の可能性が高いと推定しています(黒田基樹『お市の方の生涯』)。
天文16年生まれなら16歳、天文19年生まれなら13歳となります。
阿部寛さんが演じる武田信玄は、大永元年(1521)生まれで42歳、溝端淳平さんが演じる今川氏真は、天文7年(1538)生まれの25歳です。
家康の伯父・水野信元
清須城での会談はなかったようですが、家康は永禄4年(1561)の2月か3月に織田信長と和睦しています。
信長との和睦をしたのは、ドラマと同じように寺島進さんが演じる水野信元とされます。
父親は、尾張国の国衆で、緒川城(愛知県東浦町)の城主・水野妙茂(系図類では「忠政」)。異母妹に、松嶋菜々子さんが演じる家康の生母・於大(おだい)の方がいます。つまり信元は、家康の伯父にあたります。
天文12年(1543)に父が亡くなると、信元はその跡を継ぎ、桶狭間の戦いの後に、三河国苅屋(愛知県刈谷市)などを併合しました(小川雄・裕之編著『図説 徳川家康と家臣団』)。
次は、信元の異母妹で、家康の生母である於大の方(伝通院)をみていきましょう。