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【猫の実話】猫は飼い主のことを観察していると思う。「がんばりすぎなくていい」と気づかせてくれた

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ゆうゆうtime編集部

「猫がいてくれるから」がんばれる。救われた。毎日が楽しい……。そんな猫たちとの暮らし、出会いや別れなどの実話を集めた本が話題です。その中から、エピソードをひとつ紹介しましょう。飼い主さんに「ありのままの自分」でいいことを気づかせてくれました。そして、飼い主さんの推しはかって行動してしまう、かしこい猫の話です。

飼い主のことが大好きな猫

泣いていると猫が近寄ってきて、なぐさめてくれた。
こんな話を猫の飼い主からよく聞きます。

猫が本当に、飼い主の気持ちに寄り添ってくれるならうれしいですよね。
はたして猫にはそんなふうに、人間の気持ちを読みとる能力があるのでしょうか?

よくいわれるのは「猫は変わらない日常を好む」ということです。
変化のある日々より、いつもと同じ平穏な毎日が、猫には幸せということを表している言葉ですね。
猫は変化に敏感で、見慣れないものに警戒心を抱きます。
だから、泣いている飼い主に近づくのは、心配しているわけではなく、いつもと違う様子が気になっているのではないか……。

その一方で、猫は人間の気持ちを敏感に感じとっている、という説もあります。

最近の研究では、大多数の猫は、おもちゃで遊んだりごはんを食べたりする以上に、飼い主とのふれ合いを好むという結果も報告されました。飼い主のことが好きでよく観察しているなら、気持ちを感じとっても不思議ではありませんよね。

このお話に出てくる猫は、飼い主さんの動向に敏感で、忖度までしてしまうという猫。でも、猫らしい自由さで、飼い主さんを変えていったそうです。
「がんばりすぎなくていい」ということを教えてくれた猫のエピソードです。

名前 とらじろう
年齢 4歳
性別 オス
種類 アメリカン・ショートヘア
性格 聞き分けがよい、内弁慶
特技 腹時計が正確なこと、おもちゃを投げると前足でキャッチする
好きなもの 子猫のころから遊んでいるけりぐるみ
あなたにとって猫とは何ですか? 気づきを与えてくれる小さな妖精

猫を飼って意識改革

うちには、「とらじろう」という猫がいる。
虎縞の猫かと思われそうだが、とらじろうはアメリカン・ショートヘアだ。

何が名前の由来かというと、映画『男はつらいよ』の主人公「フーテンの寅さん」こと車寅次郎にちなんでいる。
とらじろうを飼うときに、自分で名前をつけたほうが猫への愛着が増すかなと思って任せたら、夫は想像以上に真剣に考えて、考えて……とらじろうになったのだった。

今考えると、この「フーテンの寅さん」がとらじろうの名前の由来だったというのは、なかなかすごいことかもしれない。
映画の寅さんも気ままで破天荒だが、うちのとらじろうもその自由さで、私のこだわりの強い神経質な性格を変えてくれたのだ。

とらじろうを飼ったのは、結婚してペット可のマンションに引っ越した際だった。
ずっと猫が飼いたかった私は、引っ越してようやく飼えると思い、夫に相談してみた。
夫は動物を飼ったことがなかったが、その分、ペットに憧れを持っていたようで、二つ返事でオーケイ。じゃあ、さっそく猫を飼おう!ということになった。

保護猫をもらうことも考えたのだが、夫婦とも初めて猫を飼うので、もしかしたら保護猫団体の審査に通らないかもしれない。
そんなことなどいろいろと考えた結果、ペットショップから迎えようという結論になった。盛り上がっていた夫が「今すぐ、猫と暮らしたい!」と熱望したためもある。

そうして出会ったのが、子猫だったとらじろうだ。ペットショップで人が近寄っても爆睡していたその肝っ玉ぶりにひかれたのだ。

とらじろうとの生活は、思った以上に順調だった。
元気いっぱいでやんちゃで、ちょっと噛みグセや引っかきグセもあるとらじろうだが、猫にしてはびっくりするほど聞き分けがよかったのだ。

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