「食費は月1万円」月5万円の年金でセンスよくやりくりする紫苑さん・72歳の節約&DIYライフ
不安からワクワクへ。節約生活がもたらすもの
ほんの数年前は、お金や将来の不安で眠れない日が続いていた。しかし、節約生活を始め、月5万円の年金で何とかやっていける自信がつくと、みるみる元気になったという。
「あの頃は、『漠然とした不安』がいつもつきまとっていたんだと思います。お金のことときちんと向き合わずに逃げていたので、不安が不安を呼び、どんどん増幅されていく……。でも、覚悟を決めて向き合ってみるとやるべきことが見えてきて、余計な見栄などもなくなって、楽になりました」
節約を始めた頃は、我慢をすることも多かった。
「おいしそうなお菓子や素敵な洋服を見ると、やはり食べたいな、欲しいな、と思ってしまいます。そんなときは10分我慢。時間をおくと、欲望は去ってしまうものです。『欲望の引き潮10分ルール』です。これはとても有効でしたが、最近はそれも不要になってきました。なぜおいしそうなのか、なぜ素敵なのか、自分流にアレンジして作るにはどうすればいいか。頭の中でそんな分析がすぐに始まるんです。食べたい、欲しい、よりも今は、作りたい、試したい、なんです」
毎朝、近くの土手まで歩き、60段ほどの長い階段を上り下りしている。
「最初の頃は息が切れたのですが今は平気で、上り下りを何度か繰り返せるようになりました。食生活の改善もあって、お金を出してジムに行っていた頃よりずっと元気です」
体調が整うと前向きな気持ちがわいてくるもの。かつて不安で眠れない日もあったが、今では頭の中は「次は何をしよう」でいっぱいに。
「夜寝る前に、次は照明を替えたい、どうしようかな、と考えながら寝るんです。そうすると睡眠中に整理されるのか、朝起きたときにアイデアが浮かんできたりします」
「節約はケチケチすることではなく、限りあるお金をどう使うか考える、知的な行為」だと言う。お金をかけなくても創意工夫で心地よい暮らしは手に入る。
築40年の中古住宅をDIYでリフォーム
※この記事は「ゆうゆう」2023年7月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。
※この記事は2024年7月30日に文章構成を変更しました。
撮影/橋本 哲 取材・文/志村美史子
ゆうゆう2023年7月号
いくらあっても満足できないのがお金。物価の上昇が収まりそうにない今、「節約」は私たち皆にとっての一番の関心事になりました。とはいえ、何もかもケチケチしたくはないし、心まで貧しくなりたくはないもの。無駄な出費をせずにどれだけ暮らしを楽しめるか、そこは知恵と工夫、そしてセンスの見せどころ。『ゆうゆう』7月号特集「節約上手は暮らし上手」では、お金をかけずに暮らしを楽しむ方法を徹底取材しました。「センスのいい節約生活」、「おいしく使い切る食の知恵」、「ポイ活&シニア割活用術」、「リメイクのアイディア」など、参考になることがきっと見つかるはず。ないことを嘆くのではなく、あるもので楽しむこと考えましょう!
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