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「年下との付き合い方」と「苦手な人との接し方」。禅僧 枡野俊明さんに学ぶ

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ゆうゆう編集部

人に会う機会がじょじょに増えてきました。苦手な人と接することもあるかもしれませんね。「人間関係は合わせ鏡のようなもの」と、禅僧 枡野俊明さんはおっしゃいます。苦手な人がいたとしたら、「相手もあなたに同じような感情を抱いていることでしょう」。マチュア世代のおつきあいについて、新刊『悩みを手放す21の方法』(主婦の友社)からご紹介します。

第1回はこちら

「悩みを手放す方法」とは? ついてない1日が清々しい1日に。枡野俊明さんに学ぶ

第2回はこちら

寝る前に【完全なオフモードになる方法】を、禅僧 枡野俊明さんに聞く

第3回はこちら

【言葉の力】禅僧 枡野俊明さんが教える、正しい言葉の選び方

プロフィール
枡野俊明(ますの・しゅんみょう)
1953年、神奈川県生まれ。曹洞宗徳雄山建功寺第18世住職。庭園デザイナー。多摩美術大学名誉教授。大学卒業後、大本山總持寺で修行。「禅の庭」を通して国内外から高く評価される。芸術選奨文部大臣新人賞受賞、ドイツ連邦共和国功労勲章功労十字小綬章を受章。2006年ニューズウィーク日本版「世界が尊敬する日本人100人」に選出される。『禅僧が教える不安に負けない心の整え方』(主婦の友社)など著書多数。

コロナ禍で、家にこもる期間を経験したため、人に会うことのよろこびや刺激を感じている方も少なくないことでしょう。
「一期一会」の意味をかみしめることができるタイミングなのかもしれません。

一方、おつきあいのかたちはさまざまで、マチュア世代は自分より年齢が下の人と話す機会も多くなります。
そんなとき、つい説教じみた口調になっていないでしょうか。
若い人に対する話し方について、書籍からひもといてみましょう。

人間関係は合わせ鏡。年下とも敬意をもって接しましょう

年齢が上がるにつれて、自分より年下の人や若い人と話す機会が増えるものです。職場やサークルなどでは先輩が減り、後輩が増えます。子どもが結婚すれば、その配偶者や子どもとの関係も始まることでしょう。親戚が集まれば、大人になった甥や姪たちと話すことも多くなります。

若い人と話すときに気をつけてほしいのは、自分の態度や言い方が高飛車になっていないか顧みることです。「自分はそんな態度をとらない」と思っているかもしれませんが、何気ない会話の中に、「私のほうが立場は上」「こっちのほうがよく知っている」と相手に受け止められかねない言葉が含まれがちです。

若い人と意見がくい違ったとき、「経験が少ないからわからないと思うけれど」とか 「考え方が甘いんだよ」などと言ってしまうことはありませんか? そんな言葉が出てきたら要注意です。若い人は経験が少ないぶん、柔軟な発想ができることもあります。逆に経験が多いベテランだからこそ、前例にとらわれて時代に合わない行動をしていることもあるのです。

もしも経験不足で配慮が足りない行動をとる人がいたら、上から目線で注意するのではなく、「以前、私はこんな失敗しちゃったんだけど」と、体験の形で話してみるといいでしょう。年長であればあるほど人生経験が多いのは事実です。それを相手が受け入れやすい言葉に置き換えて話す余裕を持ちたいものです。

といってもそれは、若い人におもねるという意味ではありません。若い人たちの中には、目上の人にも友達言葉を使って話す人が少なくありません。もしも目上の方に失礼な物言いをする人がいたのであれば、「そういう言い方は失礼ですよ」「丁寧な言葉を使いましょう」と、やんわりと注意してあげることが年長者の役割です。

<キーワード>
一期一会
(いちごいちえ)

茶道に由来する言葉で、「茶会に臨むときには、この機会は二度とない、一生に一度であるのだから大切に」という意味であった。それが転じて「人との出会いも一生に一度限り。出会いを大切に」という意味で使われる。

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