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【ガーデニング】水辺で花を咲かせる植物を楽しむ。小さな水鉢でつくる、涼感たっぷりウォーターガーデン

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光武俊子

猛暑が続く今年の夏、せめて目に涼やかな景色をつくりませんか。スイレンや風にそよぐ水生植物などは丈夫で育てやすい多年草。小さな水鉢でつくるウォーターガーデンなら庭先やベランダでも手軽に楽しめます。

直径30㎝のスイレン鉢でできる水辺の景色

夏は目に涼やかな水辺の景色が恋しいですね。水面に浮かぶ水草や風にそよぐ岸辺のグラスなど、真夏に涼感を演出できるウォーターガーデンをつくってみませんか。庭に池がなくても、直径30㎝深さ20㎝ほどの容器があれば大丈夫です!

スイレンやホテイアオイなど、水辺で花を咲かせる植物は意外にたくさんあります。カヤツリクサやミズトクサなど、風の通り道を教えてくれるリーフも魅力。蚊の幼虫ボウフラがわかないように、メダカなども一緒に楽しみましょう。

日当たりがよいと、溜めた水の温度が上がるので、すだれなどで遮光(熱)すると風情も出ます。ただし、熱帯スイレンは水温が40℃でもOK! ベランダでは容器の下にすのこなどを敷くと、照り返しを防いで風通しも図れます。

水辺の女王さま、スイレンはどんな花⁉

ピンクや青紫、黄色や白など、色とりどりの花を咲かせ、水面に丸い葉を浮かべるスイレン。印象派を代表する画家モネが愛したことでも知られる花は、多彩な品種があります。

まず大きな2タイプとして、寒冷地以外なら屋外で冬越しできる「温帯性スイレン」と、冬は屋内に取り込む必要がある「熱帯性スイレン」があります。温帯性スイレンは花を水面に浮かべて咲き、熱帯性スイレンは暑さに強く花を水辺より立ち上げて開花します。

【ガーデニング】水辺で花を咲かせる植物を楽しむ。小さな水鉢でつくる、涼感たっぷりウォーターガーデン(画像3)

温帯性スイレン

【ガーデニング】水辺で花を咲かせる植物を楽しむ。小さな水鉢でつくる、涼感たっぷりウォーターガーデン(画像4)

熱帯性スイレン

温帯性スイレンは晩春~初秋の早朝~昼に開花、熱帯性は初夏~晩秋のおもに午前遅め~午後に開花。熱帯性は夜に咲く品種や、香りを楽しめる品種もあります。こうした特性を知っていれば、あなたが育てやすくて楽しめる品種が選べるでしょう。

スイレンを鉢植えで育ててみよう!

スイレンは基本的に丈夫で繁殖力も強い植物です。温帯性は3月から、熱帯性は5月から晩秋まで植えつけ可能。苗は直径12~15㎝サイズのポット苗のほか、通販では根土を落とした裸苗で流通することもあります。

ポット苗はそのまま1~2まわり大きなサイズの平鉢に植えつけ。土は市販のスイレン用土か、赤玉土小粒を粘るまで水で練った田土を用います。植えた鉢の縁にゆっくり効く化成肥料を規定量埋め込んだら、完成です。

底穴のない直径30㎝ほどのスイレン鉢に入れ、静かに水を注ぎましょう。株元の上5㎝ほどの深さまで水を入れます。古い葉などは取り除き株元に光が届くようにすると、つぎつぎに花が咲きやすくなります。

植えつけとは、苗や苗木、球根などを土に植える作業のことを指します。適切な時期や深さを守ることで植物の発芽や発根が促され、順調な生育につながります。植物ごとに適した用土が望ましく、植えたあとはしっかり水やりをして根づかせることが大切です。植物の種類によって用土の種類や肥料の施し方が異なるため、事前に育て方を確認しておくと安心です。

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寄せ植えとは、複数の植物を1つの鉢やプランターにまとめて植えることです。花の色や形、高さのバランスを考えることで、美しいアレンジが楽しめます。同じ環境を好む植物同士を組み合わせるのがコツです。季節ごとに植え替えれば、年間を通じて楽しめる人気のスタイルです。

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化成肥料とは、チッ素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)などの成分を人工的に化学合成して配合した肥料で、植物の生長をバランスよく促進する目的で用いられます。多くは粒状または粉末状で市販され、成分の含有比率が明示されているため施肥設計がしやすく、園芸初心者からプロまで幅広く利用されています。ただし即効性が高い化成肥料は、与えすぎると肥料焼けを起こすこともあるため、緩効性を用いたり適量を守ることが大切です。

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赤玉土とは、関東地方の火山灰土壌から採取される粒状の土で、園芸用の培養土として広く使用されます。通気性と保水性、排水性のバランスがよく、単独で使用することも他の土と混ぜて使用することもできます。粒の大きさにより小粒・中粒・大粒に分類され、植物の種類や用途に応じて選ぶことができます。

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寒冷地とは、平均気温が低く、冬季に雪や霜が多く降る地域を指し、園芸においては栽培可能な植物が限られる環境です。北海道や本州内陸部などが該当し、霜害や冬越しの難しさが課題になります。寒冷地では耐寒性の高い宿根草や球根植物が重宝され、逆に熱帯性植物は室内での越冬が必要です。栽培カレンダーも地域ごとに調整が必要で、気候に合った植物選びがガーデニング成功の鍵となります。

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多年草とは、開花、結実後も枯れずに生長する植物のことを指します。一度植えると数年にわたり生育し、毎年花を咲かせます。

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冬越しとは、寒さに弱い植物を冬の寒さや霜から守って生き延びさせるための管理方法です。屋外に置いている鉢植えを室内に取り込んだり、花壇の土の表面にワラや落ち葉などを敷き詰めたりします。

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花穂とは、棒状に長く伸びた軸に花が密集して咲く花序の一種で、ラベンダーやミントなどのシソ科植物に多く見られます。花穂は多数の小さな花がまとまって咲くことで、視覚的にも香りの面でも存在感があり、昆虫を引き寄せる効果が高い形状です。ドライフラワーやポプリにも利用されることが多く、観賞と実用を兼ねた人気の高い花序形態です。

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用土とは、植物を育てるために使う土のことです。植物の種類に合わせて、水はけ、保水性、通気性、栄養のバランスを考えてつくられています。園芸店では「観葉植物用」「野菜用」「多肉植物用」など、目的別の用土が販売されており、初心者でも使いやすくなっています。

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株元とは、植物の茎が地面と接するあたり、根元の部分を指す言葉で、水やりやマルチング、病害虫の発生チェックなど園芸作業の上で注目すべき場所です。特に多年草や樹木では、株元の通気性や湿度が健康維持に大きく関係し、落ち葉や腐葉土のたまり過ぎによって蒸れたり、カビが発生するリスクもあるため注意が必要です。冬越しや剪定後の管理でもポイントになる場所です。

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品種とは、ある植物の中で、花の色や形、実の大きさなどの性質が、明らかに他の植物と異なる栽培植物のことです。園芸品種や栽培品種の略称です。

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