鎌田 實さんがアドバイス。ひとり力を鍛える「健康ソロ活」で 心も体も若々しさを保とう[後編]
季節を感じながら外歩きを楽しもう
外を歩くこともおすすめだ。
「3分ゆっくり歩いたら、3分速歩きします。これを繰り返すことをインターバル速歩といいます。ゆっくり歩くときには季節や風の音を感じながら、速足で歩くときには歩幅を広くして歩くといいでしょう」
背筋を伸ばすことも大切だ。
「前かがみの姿勢は気持ちをうつうつとさせてしまうこともあります。胸を開き、背中を伸ばしましょう。気持ちも引き締まり、セロトニンも分泌されやすくなります」
短い時間でも自分の体や心に気を配ることが大事だと話す。それは単純に、体力を維持することだけが目的ではない。
「マチュア世代は親の介護や仕事や家事で忙しい。だからこそ、お湯が沸くまでの数分でかかと落としをしたり、買い物のとき速度を意識して歩いたりすることで、『自分は積極的に時間を支配している』と思えるようになります。これもまたソロ立ちに一役買ってくれるはずです」
私たちはいくつになっても新しい挑戦ができるという。
「人生は『二毛作』です。子どもを育て上げた、職場で定年を迎えた、そこで一区切りつけるのもいいけれど、その先、もう1回何かできるはずです。あなたは何がしたいですか? 見つからなかったら若い頃に好きだったことをもう一度やってみましょう。人生の後半戦がどんどん面白くなるはずです」
心の重荷を解き放つ「鎌田式 一汁一菜瞑想法」
「孤独の効果を高めるには、ひとりの時間に自分としっかり向き合うことが大切です」と鎌田さんは言う。自分と向き合うということは、坐禅や瞑想をすればいいのだろうか?
「そうかもしれないけれど、僕は坐禅が性に合わないんです。邪念が多いので(笑)」
そんな鎌田さんが編み出したのが「一汁一菜瞑想法」だ。やり方は簡単。ご飯とみそ汁だけの夕食を、いつもより少し早い時間に用意する。テレビを消し、夕暮れを眺めながら、時間をかけて集中して食事をするのだ。
「頭を空っぽにして、お米のひと粒ひと粒を意識しながら丁寧に噛んでいると、僕のような人間でも『今この瞬間』に集中できる。邪念が取り払われるような気がしますよ」
※この記事は「ゆうゆう」2022年4月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。
撮影/橋本 哲 取材・文/神 素子
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