老後資金を守りながらお金を使う方法とは? ファイナンシャルプランナー・深田晶恵さんがアドバイス
ヒント③ 明細のチェックは不可欠。 収支の把握はもちろん、不正使用されていないかもチェック
「クレジットカードの明細、ちゃんと確認していますか?」と、深田さん。明細が届いても合計額だけ見て、「引き落とし口座の残高が足りていれば安心!」と思いがちだ。
「クレジットカードを不正利用されるケースが増えています。日付や金額、お店などが実際と合っているか確認しましょう。契約したことを忘れて使用していないサブスクで毎月一定額が引き落とされていることも。1000円程度だと気づきにくいこともあるので、明細を1行ずつ確認しましょう」
深田さん自身、紙の明細で、マーカーで色分けしながら1つずつチェックしている。
「スマホの画面上で確認するより、紙のほうがチェックしやすいんです。ワインやスイーツは赤、旅行関係は黄色、美容・健康関係は青などカテゴリー別に色分けします。『今月は使いすぎた!』というときは、色別の合計を出して前月と比較すれば、原因が明白になります」
ヒント④ 水道・光熱費などの「家計の見える化」で 家族の協力を求めましょう
値上がりが著しい光熱費。節約したいのに「家族が全然協力してくれない」と嘆く人は少なくない。
「光熱費は1人だけ頑張っても減りません。ガミガミ言うより『見える化』するほうが効果的です」
昨年や一昨年の同じ月の水道・光熱費と、今年の金額を比較できるような表やグラフを作って、目立つところに貼っておくのがおすすめだ。
「男性は特に、経費削減の目標数値があると頑張れるようです」
なお、電力会社は自由に選ぶことができる。「エネチェンジ」などの比較サイトで調べると、今より安い電力会社が見つかるかもしれない。
ヒント⑤ 食費や日用品費の予算を決めて、予算内に収めるための仕組みをつくりましょう
食費や日用品費などの家計費は、小遣いや固定費とは別に予算を決めて管理したい。深田さんのおすすめはデビットカードの利用だ。
「口座からの即時引き落としなので、支出を把握しやすいんです。デビットカード専用の口座をつくり、毎月の予算分を入金し、残高を確認しながら買い物をします。わが家ではカードを家に置いておき、夫婦で共有しています。専用のスマホアプリと連動させていて、夫がカードで買い物すると私のスマホに取引履歴が送られてきて、内容がわかります。料理好きの夫が1週間分の献立を考えていますが、必要なものだけを買うように買い物リストを作ったら食費が減りました。現金派の人は、家計用の財布を用意して予算分のお金を入れ、そこから使うようにするといいですね」
「お買い得」につられてムダな買い物を増やさないようにするには、買い物リストが役立つ。
※この記事は「ゆうゆう」2023年12月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。
取材・文/神 素子
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