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【クリスマスローズの庭実例】園芸ソムリエが伝授!鉢植えで楽しむガーデンと鉢の栽培方法【ガーデニング】

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園芸ガイド編集部

鉢で育てるメリットを生かす

鉢植えのメリットといえば、なんといっても移動できること。

「私は、夏場は庭の奥のバックヤードにクリスマスローズの鉢を並べています。そして、開花が始まるとリビングから見えやすいよう、手間に鉢を移動して間近で花を楽しみます」

台の上に置けば、うつむきかげんに咲く花も見やすくなります。小さな鉢なら、家の中に入れてめでることも。

「作業も鉢のほうがしやすく、株の様子を見てあげやすい分、ていねいに育てられます。また、地植えにすると株が大きくなり掘り上げるのがたいへんですが、鉢なら限られた場所で数多く育てられるのもメリットだと考えています」

翌年の開花を考えて作業を

「クリスマスローズは2カ月近く花が咲き続けますので、その間は花を存分に楽しみます。その後、私は毎年、3月末ごろに花柄をすべて摘みとってしまいます。早めに切ることで翌年の花芽がたくさんつき、また鉢からあふれるような花を楽しめるのです」

クリスマスローズ愛好家の有島さん。花をたくさん咲かせること、そしてそれを見るのを楽しみに、日々育てていらっしゃいます。

【クリスマスローズの庭実例】園芸ソムリエが伝授!鉢植えで楽しむガーデンと鉢の栽培方法【ガーデニング】(画像5)

庭がバラであふれる5月。クリスマスローズは手前から見えないバックヤードに移動し、ここで夏を越します。

有島流  たくさん咲かせるための鉢栽培12カ月カレンダー

腕利きの栽培家や愛好家の作品が並ぶ展示会でも、群を抜いて花つきがよい有島さんのクリスマスローズ。常識にとらわれずに編み出した、有島さん流のクリスマスローズの育てのコツとポイントを月ごとに紹介しましょう。

11月<花芽の充実をはかる時期> 施肥

私にとっては11月がクリスマスローズのシーズンのスタート。11月中旬〜12月中旬を「肥料強化期間」と考え、11月中旬になったら1.5〜2カ月効果が続く置き肥を施します。同時に、液肥を7〜10日に一度与えるペースを5月末まで継続します。

一般的にいわれている9月から施さないのは、施肥をすると早く芽が出て、本来花芽になるはずの芽が葉芽になってしまうからです。11月中旬から施肥をすることで12月ごろには充実した花芽が出て、そのあとの花つきにグンと差が出るのです。

12月<不要な葉は早めにカット> 古葉切り

その年の春に出た葉は、秋まで株を成長させるためのもの。夏の間、光合成をするために上を向いていた葉が、冬には株元からだらりと開いてきます。私は花芽がふくらんだ株から、12月上旬までに古葉を地ぎわから切るようにしています。花後にはまだ新しい葉が出てきますし、株元の花芽に日を当てたいという理由もあります。古葉を切る際は花芽を傷つけないように注意します。

【クリスマスローズの庭実例】園芸ソムリエが伝授!鉢植えで楽しむガーデンと鉢の栽培方法【ガーデニング】(画像6)

12月上旬までは古い葉は切り、芽に日を当てます。

【クリスマスローズの庭実例】園芸ソムリエが伝授!鉢植えで楽しむガーデンと鉢の栽培方法【ガーデニング】(画像7)

11月中旬から翌年5月までは肥料を絶やさないように注意。

植えつけとは、苗や苗木、球根などを土に植える作業のことを指します。適切な時期や深さを守ることで植物の発芽や発根が促され、順調な生育につながります。植物ごとに適した用土が望ましく、植えたあとはしっかり水やりをして根づかせることが大切です。植物の種類によって用土の種類や肥料の施し方が異なるため、事前に育て方を確認しておくと安心です。

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置き肥とは、ゆっくり効くタイプの固形肥料などを植物の根元付近に置いて施す方法、または肥料そのもののことです。水やりのたびに少しずつ肥料成分が溶け出すため効果が長く持続し、手間が少ないのが利点で、鉢植えやプランター、地植えなど幅広く利用されます。

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株分けとは、植物の株を分割してふやす繁殖方法の一つで、多年草によく用いられます。根元から芽がふえた部分を切り分け、別々に植えつけて育てます。古くなった株を切り分け、株を若返らす目的でも行われます。

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夏越しとは、暑さに弱い植物を夏の高温や強い日差しから守り、元気な状態で夏を乗り切らせる管理のことです。鉢を日陰に移動する、風通しをよくする、水やりを工夫するなどの対策が必要です。

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地植えとは、植物を鉢やプランターではなく庭の地面に直接植える方法のことで、根が土中に自由に広がるため株が大きく育ちやすく、水やりや肥料の持ちもよくなるといったメリットがあります。例えばバラや宿根草、樹木類などを長期間育てたい場合に適していて、植えつけの際には土壌の排水性や日当たり、風通しなどを考慮して場所を選ぶことが大切です。

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光合成は、植物が太陽の光をエネルギー源にして、二酸化炭素と水から酸素と栄養(糖)を作り出す生命活動の基本です。葉の中にあるクロロフィル(葉緑素)が光を受けることでこの反応が起き、植物の生長だけでなく、地球上の酸素供給にも関与しています。ガーデニングでは、植物が光合成しやすいように日当たりを確保し、葉を健康に保つことが重要です。日陰を好む植物でも、ある程度の光が必要であるため、「光と植物の関係」を理解しておくことは、育てる楽しさを深めてくれます。

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花柄とは、ひとつの花を支える細い茎のような部分で、葉や茎と花をつなぐ役割を果たします。特に切り花にする際にはこの部分の長さや太さが重要で、花全体のバランスや飾りやすさに影響します。ナデシコやスイートピーのように花柄が細長く繊細な植物では、支柱や風よけが必要なこともあり、開花後に花がら摘みを行う場合も、この花柄の位置が作業の目安になります。

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肥料とは、植物が健やかに生長するために欠かせない栄養素を補給する材料のことです。おもにチッ素、リン酸、カリウムを三大要素とし、それぞれ葉の生長、花や実の形成、根の発達を助けます。有機質肥料と無機質肥料に分類され、有機質肥料は堆肥や骨粉など自然由来で、土壌改良にも効果的。一方、無機質肥料は成分が均一で即効性が魅力です。ガーデニングでは植物の種類や生長段階を考慮し、適切な肥料選びと施肥のタイミングが大切です。

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用土とは、植物を育てるために使う土のことです。植物の種類に合わせて、水はけ、保水性、通気性、栄養のバランスを考えてつくられています。園芸店では「観葉植物用」「野菜用」「多肉植物用」など、目的別の用土が販売されており、初心者でも使いやすくなっています。

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灌水とは、植物に水を与える作業全般を指し、単なる「水やり」よりも体系的な管理を含む用語です。例えば時間帯、量、頻度、方法(ジョウロ、点滴灌水、スプリンクラーなど)を計画的に管理することで、過湿による根腐れ、乾燥や水切れを防ぎ、植物の生育に最適な環境を整えます。特に鉢植えやビニールハウス栽培では灌水の適否が収穫や開花に大きな差を生み出すため、ガーデニング上級者が腕を振るう分野でもあります。

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株元とは、植物の茎が地面と接するあたり、根元の部分を指す言葉で、水やりやマルチング、病害虫の発生チェックなど園芸作業の上で注目すべき場所です。特に多年草や樹木では、株元の通気性や湿度が健康維持に大きく関係し、落ち葉や腐葉土のたまり過ぎによって蒸れたり、カビが発生するリスクもあるため注意が必要です。冬越しや剪定後の管理でもポイントになる場所です。

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低木とは、一般的に高さが約2メートル以下の小型の木を指します。ガーデニングでは庭の縁取りやアクセントとして使われることが多く、ツツジやユキヤナギ、ローズマリーなどが代表的です。剪定がしやすく、生長も制御しやすいため、初心者にも扱いやすい特徴があります。また、低木は季節ごとの花や葉の変化を楽しむことができ、庭に四季折々の彩りをもたらします。

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休眠とは、植物が生長を一時的に停止して、寒さや乾燥などの不利な環境から身を守る生理状態のことを指します。球根や落葉樹などでは、冬の寒さに備えて活動を停止し、気温が上がると再び芽吹きます。休眠中の植物は水や肥料をそれほど必要としないため、過湿や過剰施肥を避けて管理することが大切です。休眠の有無や期間を知ることは、植え替えや剪定の適期を見極めるうえでも重要です。

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