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「どんなときでも、自分らしいハッピーを見つけて、自由に生きていきたい」鳥居ユキさんの道しるべとなった3つの言葉とは?

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ゆうゆう編集部

失敗もつらさも全部いいことに変えてしまうの

32歳でパリコレデビューを果たし、「パリジェンヌよりパリっぽい」と喝采を浴びた。以来、30年以上パリコレでの発表を続けた。

「日本と違って予想外のトラブルだらけ。予定していた会場が使えないなんてよくある話だけれど、あるとき当日になってジャーナリストが一人も来なくて。おかしいと思ったら、会場の前がマラソンコースになっていて閉鎖されていたの(笑)」

そんなとき、鳥居さんはあわてず騒がず、対応策を考えてすぐ動く。

「そうすると、たいていは当初の予定よりよくなるの。『禍を転じて福となす』って、本当よね」

「禍を転じて福となす」

鳥居さんが大好きな言葉。
「何か大きな問題に直面すると『もうだめ』って、この世の終わりみたいな顔をする人がいるじゃない? でも大事なことは方向転換。最終的に『福』にしてしまえば、それは失敗じゃないのよ」

80歳になった今も、常に新しい挑戦を続けている。最近はSNSで自身のコーディネートや庭の花、美しい風景などを発信している。

「SNS用の写真は自分で撮りたいし、操作方法も覚えたい。でもね、若い人に聞くと勝手にパパッとやって『はい』って返されるだけじゃない? だから『今どこを押したの?』『どうやるの?』って何度も聞いてわかるまでやるの(笑)」 

引退など考えたこともない。365日、仕事のことを考えている。

「テレビを見ていても『これは使えそう!』とひらめいたらすぐにメモ。家のあちこちに裏紙と鉛筆が置いてあるの。そういえば、伊作先生の院長室にもメモがたくさん散らばっていたわね。メモも先生の影響かしら。でも先生の言葉に反して、私は『もっともっと頑張りたい!』って思っちゃうのよ。自分に望むぶんにはいいのよね、きっと」

PROFILE
鳥居ユキ

とりい・ゆき●1943年東京生まれ。61年文化学院卒業。
62年にデザイナーだった母のショーで作品を発表、以来一度も休むことなく新作を発表し続ける。俳優や歌手を起用したショーも話題に。
株式会社トリヰの社長としてサポートしてくれた夫の高雄氏は2021年に死去。現在は娘が社長になり、祖母・母・自身・娘へと4代のバトンを渡す。

『80歳、ハッピーに生きる80の言葉』
鳥居ユキ著

鳥居ユキさんの習慣は「一日に一つ、ハッピーを見つけること」。早起き、エクササイズ、食事、仕事、SNS……、鳥居さんの日常の中には、いくつになっても若々しくいられるヒントがいっぱい。好きなものに囲まれ、花を愛し、人を愛し、ファッションを愛する鳥居さんの豊かな日々に触れられる華やかで美しい一冊。

主婦と生活社 1760円

※この記事は「ゆうゆう」2024年2月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。


取材・文/神 素子

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ゆうゆう2024年2月号

「目指せ、一生ボケない暮らし」を大特集。90代でも元気に仕事を続けているエッセイストの海老名香葉子さん、ジャズクラリネット奏者の北村英治さんのお二人に「脳にいい毎日習慣」を教えてもらいました。また、専門家には「認知症との正しい向き合い方」と「ボケを防ぐ眠り方」を取材。老年精神科医の和田秀樹さんは言います。「認知症は誰もがなる病気。むやみに恐れる必要はありません」と。この特集を通して認知症についての理解を深め、できることから認知症対策を始めてみては。
もうひとつのおすすめ企画は「生きる力を与えてくれる『珠玉の言葉』」。鳥居ユキさん(デザイナー)、アンミカさん(モデル、タレント)など、各界で活躍する6名の方に、人生を支え、道しるべとなった「珠玉の言葉」について伺いました。

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