年金4万円、団地でひとり暮らしの小笠原洋子さん74歳。1日1000円でやりくりする「ケチカロジー」とは?[前編]
食品ロスとは無縁。生ゴミの出ない生活
生ゴミの量は食品ロスにもつながります。最近、地元のタウンニュース紙に、ロス削減の記事が出ていました。『買いすぎゼロ・つくりすぎゼロ・食べ残しゼロ』の推奨です。自治体ではゴミ処理によほど困っているようで、路線バス内では「生ゴミを減らそう、水きりをしよう」という放送が流れます。
年金暮らしであまりものを買えない私は、ほとんど買いすぎがなく、少ない量の食材でやりくりするのでつくりすぎもなく、ケチな私には食べ残しなどもってのほかです。
お茶を飲めばその葉を食べます。大根やニンジン、リンゴはむろんキウイや柿の皮、キャベツの芯、それにスイカの白い部分、またはゴーヤのワタやピーマンの種、焼き魚の頭など食べられる限りは骨まで食べつくしますので、ゴミは微量です。ジャガイモの皮をむくときは、流しに直接皮を落とし、あとは指でつまんでゴミ袋に入れるので水分はほぼゼロです。
ティッシュペーパーもゴミを膨らませる要因なので、買いません。汚れを拭く場合はなるべくふきんを使ったり、必要な分だけちぎれて、水に流すこともできるトイレットペーパーを代わりに使っています。汚れたプラスチック容器などは、切り刻んで捨てるとかさばらず、チラシなどは資源ゴミに出すので、生ゴミになるものは少量で済みます。
また、流しに、生ゴミ用の三角コーナーを置きませんし、台所には調理道具も少なく、大小の鍋とレンジ対応の一合炊き釜くらい。ザルは大小ありますが、お玉はレンゲで代用します。ひとり暮らしにはそれで十分です。そんな私がよく使うのが、切れ味抜群の調理用ハサミです。包丁も持ってはいますが、いちばん使うのは切れ味のいい果物ナイフとこのハサミです。
食器もわずかで、飯碗と汁椀、大小の小鉢と中小のお皿くらいです。食生活に器は欠かせませんが、戸棚を食器でいっぱいにするのも地震の際、危険です。大小で5器ほどが入れ子になった木のお椀を、マイ食器とする僧侶に憧れる私は、いつかその程度に収めたいと夢見ています。食器は調理道具と共にシンク下の収納に収まっています。
ものを少なくすると、今あるものを大事に扱うようになったり、大切に食べ切ったりして、物品ロスや食品ロスが減るものです。
※この記事は『財布は軽く、暮らしはシンプル。74歳、心はいつもエレガンス』(扶桑社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。
撮影/星 亘(扶桑社)
【後編に続く】
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財布は軽く、暮らしはシンプル。74歳、心はいつもエレガンス
小笠原洋子著
扶桑社刊
「ケチカロジー」の生みの親、美術エッセイスト小笠原洋子さんの暮らしのエッセー。「お金は困らないくらいあれば十分」と語る著者のエレガンスで豊かな暮らしのアイデアが満載です。
第1章 幼少期から刻み込まれた「ケチ精神」
第2章 団地での「持たない暮らし」
第3章 財布や環境にも優しい「ケチカロジー」ライフ
第4章 「1日1000円」暮らしのリアル
第5章 お金はかけないセンスある「チープシック」
第6章 「おひとりさま」でいることの覚悟
第7章 これからも豊かな人生を歩むために
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