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名書店員に聞く【おすすめの本】3選。「喪失」について考えるエッセイ&エッセイ漫画

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ゆうゆう編集部

全国各地の名書店の書店員さんに、おすすめの本を教えていただきました。第8回は熊本県熊本市にある「長崎書店」。お店の魅力もたっぷり語っていただいています。

第7回はこちらをどうぞ。名書店員に聞く【おすすめの本】3選。読み出したら止まらなくなる海外小説

長崎書店

熊本の代表的な繁華街・上通商店街にあり、地元民に親しまれている。

熊本県熊本市中央区上通町6-23
☎096-353-0555 営業時間:11時〜19時
https://www.nagasakishoten.jp

お話を伺ったのは
長崎健一さん

2001年、東京の大学を3年で中退して故郷に戻り、父・茂昭さんが社長を務めていた長崎書店に入社。09年、30歳で長崎書店4代目の代表取締役社長に就任。

2021年3月にリニューアルし、より居心地のよい空間に!

熊本の文化、芸術の受信と発信の拠点を目指して

熊本城の近くにあり、にぎわいを見せる上通商店街。そのほぼ中央に位置する「長崎書店」は明治22年に開業し、創業135年目。地元では誰もが知る老舗書店だ。近年は、ギャラリースペースにて地元作家の作品展を行うなど、ユニークな取り組みでも注目されている。

「私が入社した当時は、アマゾンやブックオフといったサービスが社会に浸透しつつある頃で、今までの書店のままでは難しいな、やり方を変えないといけないな、と考えたのです」と、4代目社長、兼店長の長﨑健一さんは話す。

「熊本の文化や芸術の、受信と発信の拠点になればいいなと思い、2006年のリニューアル時には、店内にギャラリースペースと、3階の倉庫跡地にミニライブなどのできるホールを設けました。また、郷土書など、文化性、地域性の高い書籍を増やし、それらがお客さまの目にとまりやすいよう、店を入ってすぐのコーナーに置くようにしています」

本のセレクトしかり、町の書店としての親しみやすさも大事にしているという長﨑さん。

「居心地がよく、普段使いできる書店です。熊本にお越しの際には、ぜひ足を運んでみてください」

今回、長﨑さんがおすすめ本のテーマに選んだのは「『喪失』について考える本」。

「5年ほど前、大切な家族の死期が迫るにつれ、大きな戸惑いが生まれました。やがて訪れるだろう喪失に備えようと読んだのが『死を生きた人びと』と『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』、実際にそのときが訪れ、大変な悲しみの後にふと手に取ったのが『悲しみの秘義』です。これは読書によるグリーフケアを初体験した一冊です。私の体験が参考になればうれしく思います」

画集の出版にも挑戦

ギャラリースペースにて、熊本在住の画家・松永健志さんの展覧会を幾度か開催したところ、展示作品の完売が相次いだ。「それならば画集を出版しよう」と松永さんと長﨑さんが意気投合。2021年10月、2年以上の準備期間を経て、出版に至った。

本物の油彩画つき!

直筆サインとエディションナンバーが入っていて、巻末には本物の油彩画がとじ込まれている。長崎書店と長崎次郎書店の店頭とオンラインストアにて1000冊限定販売。

松永健志原画付き画集『WHITE』松永健志/著 長崎書店 3万3000円

※長崎次郎書店は2024年6月30日にて休業予定。

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