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名書店員に聞く【おすすめの本】3選。「喪失」について考えるエッセイ&エッセイ漫画

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ゆうゆう編集部

長崎さんおすすめ【「喪失」について考える本】

『死を生きた人びと 訪問診療医と355人の患者』

小堀鷗一郎/著
みすず書房 2640円
 
数多くの看取りに関わってきた訪問診療医による、患者たちの死の記録と見識が著された本。

「家族の死が迫る中で本書を読み、やや外側から状況に向き合う視点を得られたように思います。紹介されている多様かつ具体的な事例は、家族、そして自分自身の人生の晩年について熟慮する手助けになるのではないでしょうか」

『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』

宮川サトシ/著 
新潮社 616円

著者の最愛の母のがん告知、闘病、葬儀。そして死後も淡々と続いていく日常で、作者に見えてきた「母の死」の意味とは―。新鋭漫画家による自伝エッセイ漫画。2019年に映画化された。

「死とその前後が描かれていますが、家族との何げない日常がどれほど愛おしく大切なものか、読みやすい漫画表現を通して強く伝わってきます」

『悲しみの秘義』

若松英輔/著
文春文庫 825円

批評家である著者が日経新聞で連載した人気エッセイが一冊に。宮沢賢治、プラトンらの、死者や悲しみ、孤独について書かれた文章を読み解き、癒やしを見いだす。

「著者の深く、慈しみにあふれた言葉が、ゆっくりと心を温かく潤おしてくれました。平明な言葉と独特の文章表現とが相まって、言葉の奥深さを再発見できる好著でもあります」

※この記事は「ゆうゆう」2022年3月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。

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