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【ガーデニング】「バラの2番花」ってなに? 2番花を上手に咲かせるコツは

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吉原美奈子

【ガーデニング】「バラの2番花」ってなに? 2番花を上手に咲かせるコツは

アメリカ、ケープコッドにある家の周囲を丸太の柵とバラで囲っています。バラは華やかですが、荒削りの丸太が自然な風情をかもしだします。

みなさんは“バラの2番花”という言葉を聞いたことがありますか? 1番花とどう違うのか、どうやったらきれいな2番花が咲くのか、などなど2番花について解説します。

↓↓花がらと枝の切り方は?
【ガーデニング】6月のバラのお手入れ。花がら切りと肥料、枝の正しい切り方とは?

【ガーデニング】「バラの2番花」ってなに? 2番花を上手に咲かせるコツは(画像2)

繊細なイメージのピンクのバラ。花弁数が多いバラは、梅雨期に蕾が開かないボーリングが起こりがちですが、これくらいの花弁数だと軽やかに咲いてくれます。

7月はバラの2番花の季節

バラは5月(関東標準)に盛大に花を咲かせます。これは一季咲き品種でも四季咲きでもほぼ変わらず、花は大きくて勢いがあり、どんどん咲いていきます。このような、年が明けて最初に咲くバラを1番花と呼びます。

中には、冬剪定をしないで放っておいたら暖冬の2月に1、2輪花が咲いたなどということもありますが、これは1番花とは言いません。また、気温が低い地域では6月がバラの1番花の季節に当たります。

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房咲きの赤のフロリバンダローズ。1番花の情景ですが、ここまで花数が多いと2番花はほどよい花付きで咲いてくれ、かえって重宝します。

上記の1番花の後に花がらを切っておくと、四季咲き性や返り咲き性のあるバラは次の花をつけます。これがバラの2番花で、その年の気候にもよりますが、多くは6月下旬~7月上旬に花を咲かせます。最盛期の1番花より、数は少なめで花も小さめになりますが、2番花も十分きれいです。

むしろ、花がもりもり咲く1番花はもちろん豪華ですが、2番花は葉の面積が目立つせいかさわやかで、夏到来の庭に清々しさを運んでくれます。2番花もたくさん咲かせて楽しみましょう。

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フレンチローズの‘モーリス ユトリロ’。画家シリーズのバラでも知られていますが、多くは花付きがとてもよく、ガーデンローズとして秀逸。(筆者撮影)

2番花をきれいに咲かせるコツ

2番花をたくさん、きれいに咲かせるためには、何といっても1番花が終わったあとに適切に枝を切っておくことが大事です。四季咲き性のバラは1番花が咲いたあと40~50日ほどで次の花を咲かせます。

1番花が咲き終わったら、花が咲いた枝を半分の高さに切ります。その際は5枚葉(葉が5つ付いている)の付け根の5~6㎜上にハサミを入れると、そこから次の枝が伸びて良い2番花が咲きます。

バラの葉をよく見ると、3枚葉(葉が3つ付いている)もありますが、3枚葉の上からは立派な枝は出にくいのです。まずは5枚葉を探して切りましょう。

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ウィーンのフォルクスガルテンに咲くピンクと白のフロリバンダローズ。繰り返し咲いて周囲を明るくしてくれます。

2番花の肥料はそこまで重要ではなく、庭植えのバラで冬の元肥や春の肥料を十分に入れている場合は与えなくてもすっきりと咲くようです。ただし、鉢植えのバラは水やりで肥料が流出するので、月1回バラ専用の肥料を鉢の縁に置くようにします。

また、2番花の季節は梅雨の季節と重なるため、株の消毒は最低1回は必要です。アブラムシなどの害虫も増えるので病気と害虫の両方に効くバラ専用のスプレー薬剤を葉の裏側までていねいにかけます。株元にはバークチップなどを敷くと土中の菌が葉につきにくくなり安心です。

ハイブリッドティーは、ガーデニングで最も人気のあるバラの系統の一つです。19世紀後半に生まれたこの系統は、花の形が美しい古典的なティーローズと丈夫なハイブリッドパーペチュアルを交配して作られました。大輪で咲き誇る花と高い香り、多彩な色合いが特徴で、シンボル的な存在感を放ちます。鉢植えや地植えはもちろん、切り花としても優れており、ガーデニング初心者からも愛されています。

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オールドローズとは、1867年に最初のモダンローズである‘ラ・フランス’が登場する以前に育種・栽培されていたバラの総称です。ダマスク系やガリカ系など豊かな香りと花姿を特徴とする系統がいくつかあり、多くは一季咲きです。自然な樹形の美しさから、ナチュラルな庭づくりによく取り入れられます。

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アブラムシとは、植物の若芽や葉に群がり、汁を吸って生育を妨げる害虫です。ウイルス病を媒介したり、排泄物でカビが発生したりすることもあります。繁殖力が非常に強いため、早期の発見と駆除が重要です。対策としては、葉裏のチェック、捕殺、防虫ネットや黄色いものに集まる習性を生かした吸着テープの設置、またはアブラムシ専用の薬剤を使うのが効果的です。

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返り咲きとは、通常の花期を過ぎた後、再び花を咲かせる現象で、おもに気温の変動や剪定のタイミング、肥料や水分条件が影響します。バラやアジサイなどで見られ、特に温暖な秋に発生しやすく、長く花を楽しめる反面、植物にとってはエネルギーの消耗が大きいため、年に一度の開花に比べて樹勢が弱ることもあり、管理には注意が必要です。

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四季咲き性とは、特定の開花期をもたず、条件が整えば一年に複数回花を咲かせる性質を指します。​バラやベゴニアなどにこの性質をもつ品種があり、長期間花を楽しむことができます。

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八重咲きとは、花びらがたくさん重なって咲く花のことです。通常の花よりも華やかでボリュームがあり、豪華な印象を与えます。バラ、ダリアなど、多くの植物に八重咲きの品種があります。

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一季咲きとは、一年のうち特定の季節にのみ花を咲かせる植物のことを指します。特にバラにおいてよく使われる用語で、春から初夏にかけて一度だけ花を咲かせ、その後は葉の生長や株の充実に向かうタイプの品種を指します。これに対して、四季咲きの植物は年間を通じて複数回花を咲かせる特性があります。

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花弁とは、一般に「花びら」と呼ばれる部分で、花の中でも最も視覚的に目立つ構造です。昆虫を引き寄せるための鮮やかな色や形、香りを備えており、園芸植物ではこの花弁の特徴が観賞価値に直結します。八重咲きや一重咲きの違いも花弁の枚数に関係しており、育種や品種改良ではこの部分の改良が重点的に行われます。雨や暑さで傷みやすいため、花弁の丈夫さもガーデナーには重要なポイントです。

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肥料とは、植物が健やかに生長するために欠かせない栄養素を補給する材料のことです。おもにチッ素、リン酸、カリウムを三大要素とし、それぞれ葉の生長、花や実の形成、根の発達を助けます。有機質肥料と無機質肥料に分類され、有機質肥料は堆肥や骨粉など自然由来で、土壌改良にも効果的。一方、無機質肥料は成分が均一で即効性が魅力です。ガーデニングでは植物の種類や生長段階を考慮し、適切な肥料選びと施肥のタイミングが大切です。

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株元とは、植物の茎が地面と接するあたり、根元の部分を指す言葉で、水やりやマルチング、病害虫の発生チェックなど園芸作業の上で注目すべき場所です。特に多年草や樹木では、株元の通気性や湿度が健康維持に大きく関係し、落ち葉や腐葉土のたまり過ぎによって蒸れたり、カビが発生するリスクもあるため注意が必要です。冬越しや剪定後の管理でもポイントになる場所です。

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品種とは、ある植物の中で、花の色や形、実の大きさなどの性質が、明らかに他の植物と異なる栽培植物のことです。園芸品種や栽培品種の略称です。

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剪定とは、植物の不要な枝を切り取る作業のことです。形を整えたり、風通しをよくしたり、枝分かれを促したりする目的で行われます。剪定を行う目的に合った正しい時期に行うことが大事です。

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元肥とは、植物を植える前や植えつけ時に、あらかじめ土に混ぜ込んでおく肥料のことです。追肥とあわせて行うと元気に育ちます。

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