カレーを常温で放置すると菌が大繁殖!? 夏こそ危険が潜む【食中毒】の最新情報を公開!
「食当たり」ともいわれる食中毒。腹痛や下痢、嘔吐など、つらい症状は体力を消耗し、抵抗力のない子どもや高齢者には重症化リスクも。細菌やウイルスなど、身近にひそむ食中毒の原因を知り、予防に努めましょう。
食中毒の原因で多いのはノロウイルスとカンピロバクター
食中毒は高温多湿の季節に多い印象があるが、「季節を問わずいろいろな食べ物が手に入る今は、一年中、注意が必要です」と、常喜医院院長の常喜眞理さん。
「食べ物についた細菌やウイルス、食品自体が作り出した毒素などが体内に入り、中毒症状を起こすのが食中毒です。症状は下痢、吐き気や嘔吐、腹痛、発熱、頭痛などの他、神経症状を起こすこともあります」
原因となる細菌やウイルスにはカンピロバクター、病原大腸菌、サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌、ウェルシュ菌、ノロウイルスなどがある。
「最も多い原因がノロウイルスです。カキやアサリなどの二枚貝についています。感染した人の便や嘔吐物から感染することもあります」
十分に加熱されていない二枚貝などを食べたあと、1~2日後に発症。激しい下痢、腹痛、嘔吐などが起こるという。
「ウイルスは85度で1分以上加熱すると死ぬので、加熱が大事です。もし、家族に感染者が出た場合、ウイルスは拡散しやすいため、便や嘔吐物に直接触れないようにします。嘔吐物には新聞紙をかけ、手袋、マスク、眼鏡をつけて処理を。汚れた場所は次亜塩素酸ナトリウム(台所用の塩素系漂白剤)で消毒しましょう。アルコールでは除けません」
次に多いのがカンピロバクターによるもの。菌がついているものを食べてから2~7日くらいで発症する。
「菌は鶏肉や牛肉、井戸水、生野菜などについています。特に鶏肉が要注意。生や半加熱のような状態で食べるのは避けましょう。カンピロバクターは70度で3~5分の加熱で死ぬので、やはり加熱が大事です」
「カンピロバクターが怖いのはギラン・バレー症候群の原因の一つであること」と常喜さん。ギラン・バレー症候群は細菌やウイルス感染後、神経に障害が生じ、手足がしびれ、力が入らなくなったり、麻痺したりする病気。呼吸が止まることもある。
「カンピロバクターに感染すると必ずギラン・バレー症候群になるわけではありませんが、こういった後遺症のリスクを避けるためにも感染予防が重要です」