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お風呂の介護は大変!「花子をお風呂で2回落とす」も、「よく考えたら大助くんが裸である必要あります? 」

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ゆうゆうtime編集部

完治しない病気の妻を老老介護で懸命に支える“なにわ介護男子”。宮川大助・花子さんの夫婦のエッセイが話題です。笑いのプロのふたりだから、大変な闘病も介護も笑いに変えてしまいます。新刊『なにわ介護男子』から一部を抜粋して、5回にわたりご紹介しましょう。第3回は、夫婦ふたり真っ裸で格闘した、お風呂にまつわる介護の話。

▶️▶️第2回はこちら
【宮川大助・花子】「問題は夜間のトイレでした」寝たきり同然の花子に放った大助の渾身の下ネタとは?

宮川花子さんは2018年に突然余命半年と宣告され、2019年には多発性骨髄腫の診断を受けて記者会見。いったんは寛解しました。

新刊『なにわ介護男子』には、その9カ月後に再発した多発性骨髄腫と次から次へと起こる新たな症状との不屈の闘い、それを愛情深く支え続ける大助さんの老老介護が何一つ隠すことなくつづられています。

今回はお風呂の介護にまつわるエピソードを2つ。ともすればしんどい介護を笑いに変えてしまうパワーを、書籍から抜粋して紹介しましょう。

著者紹介
宮川大助・花子

夫婦漫才の第一人者。大助は1949年10月3日、鳥取県生まれ。会社員を経て、浪曲漫才の宮川左近に弟子入り。ガードマンの仕事をしながら100本の漫才台本を書く。漫才ではネタ作りとツッコミ担当。花子は54年8月28日、大阪府生まれ。大阪府警に入庁後、チャンバラトリオに弟子入り。漫才ではボケ担当。76年に結婚、79年にコンビ結成。87年上方漫才大賞の大賞 受賞。2011年文化庁芸術選奨 文部科学大臣賞 大衆芸能部門、17年紫綬褒章。19年12月、花子が自らのがんを公表。2023年5月に大阪・なんばグランド花月に復帰。徐々にステージやテレビ、ラジオ出演を増やしている。著書に『あわてず、あせらず、あきらめず』(主婦の友社)ほか。

大助くん、私をお風呂で2回落とす

厚生労働省の調査によると、お風呂での死亡事故は交通事故死の6倍だそうです。

すごいですね。それくらいお風呂は危険な場所なんです。皆さんも気をつけてくださいよ。

何を隠そう私も、大助くんにお風呂で2回落とされました。

1回目は、2019年、「余命1週間」と言われるほど重篤な状態で病院に担ぎ込まれる直前のこと。

入院後、体中くまなくレントゲン撮影してもらったときに発見されたんです。
「あれ? 花子さん。お尻の骨、ちょっと折れたあとがありますよ」と先生がおっしゃるからびっくり。

当時は、どこもかしこも麻痺していたのでわからなかったんです。
指摘されて初めて「ああ、あのときのことか」と思い当たりました。

「それ、大助くんがお風呂で落としたときですわ」と言うと、先生はなるほどとうなずいて「ほな、そう書いておきますね」。今もカルテには「大助さんが落とした」と書かれているはずです。

2回目は、2023年のなんばグランド花月での漫才復帰後の9月でした。

奈良県の西和警察署で大助くんやさゆみと一日署長をしたんですが、その直前。これは、ほんとに大変でした。

ステンと滑ってしまって、立ち上がろうとするけれど、床はぬれているし、石けんで手は滑るし、自力ではどうしても立てません。大助くんも必死で抱え上げようとしてくれるんですが、うまくいかないんです。

夫婦二人、真っ裸で格闘。大ごとですよ。

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