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要注意! 良性の【脂漏性角化症】だと思っていたら「悪性腫瘍」なんてことも

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ゆうゆう編集部

いつのまにか顔や首、手の甲などにできている、シミが少し盛り上がったようなイボ。表面がザラザラしているものの多くは脂漏性角化症という良性の腫瘍ですが、他の病気の場合があるので一度は皮膚科を受診しておきましょう。

治療がマストではないけれど、色や形状の変化を見逃さないで

脂漏性角化症は別名、老人性疣贅という。疣贅というのはイボのことで、脂漏性角化症は老人性イボとも呼ばれている。

「脂漏性角化症は顔や手の甲、うなじ、体などにできます。シミが少し盛り上がったような見た目で、表面がザラザラした感じの皮膚病変です。色は茶褐色や黒に近い色などさまざまで、大きさは数ミリから1センチを超えるものまで。痛みやかゆみは基本的にありません」と、常喜医院院長の常喜眞理さん。

「良性腫瘍の一つです。老人性といわれますが高齢者特有のものではなく、30代頃からできる人もいて、40代から増えていくようです。白色人種に多く、日本人でも色白で日に焼けて赤くなるタイプの人に多く見られます。

原因は紫外線の影響や、加齢による皮膚の老化、そして肌質など遺伝的なことも関係しているといわれます。おなかのように日光にさらされない場所にもできますが、紫外線にさらされているところのほうができやすく、加齢とともに増えていきます」

イボには、子どもがよくかかる水イボなどウイルス性のものもあるが、脂漏性角化症はウイルス性ではないため感染の心配はない。そのままにしておいても問題はないという。しかし、脂漏性角化症だと思っていたら、実は悪性腫瘍(皮膚がんなど)だったという場合があるので、一度は皮膚科で診断を受けたい。

「鼻を中心にして手のひらを当てたときに、手のひらで覆われる部分、ほおの半分くらいまでのところにできた茶色から黒っぽいものは、悪性腫瘍の場合があるので注意が必要です」

皮膚科では視診やダーモスコピーという拡大鏡で、メラニン色素や毛細血管など細胞の状態を見て診断する。

「診断がつかない場合は、組織を取って調べることもあります」

脂漏性角化症と似たような病変を起こす悪性腫瘍には、有棘細胞がん、前がん状態のボーエン病、足の裏などにもできる悪性黒色腫(メラノーマ)などがある。

「いずれも進行は遅い病気ですが、色が濃くなったり、大きくなったり、形がゴツゴツしてきたりと変化が見られたら、すぐに皮膚科専門医の診察を受けてください」

良性と診断された場合も、大きさや状態に変化がないか、経過を見ることが大事。

「一年に一度は皮膚科でみてもらうといいですね。かさぶたのような状態になったり、同じエリアに色の違うものが出てきたりと、何らかの変化があったら早めに再診を」

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