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要注意! 良性の【脂漏性角化症】だと思っていたら「悪性腫瘍」なんてことも

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ゆうゆう編集部

除去治療には液体窒素、手術、炭酸ガスレーザーなどがある

放っておいて問題はなくても、顔や首、手の甲などにできた脂漏性角化症が美容上、気になる人もいる。

「自然に消えることはないので、気になる場合は治療を受けてもよいでしょう。治療法には液体窒素、手術、炭酸ガスレーザーを使うものなどがあります」

患部に液体窒素を当てて低温やけどを起こし、壊死させてかさぶたにしてはがす方法は、手軽だが一度では取れず、数回の処置が必要になることが多い。除去手術は局所麻酔で行い、一般的に日帰りで受けられる。液体窒素と手術には健康保険が適用される。

「病変が大きいときや、手術のほうがきれいに取れる場合は手術を選択します」

炭酸ガスレーザーでの治療は、患部にピンポイントでレーザーを照射し、取り除く。保険適用外で費用は全額自己負担となる。

「液体窒素やレーザー治療では病変部が失われるので組織を調べることができませんが、手術では組織を取って調べることができるというメリットがあります。治療回数や治療後のケア、費用など、それぞれメリット、デメリットがあるので、医師と相談のうえ選択しましょう」

炭酸ガスレーザー治療は美容皮膚科でも受けられるが、まずは皮膚科専門医から悪性腫瘍ではないという確定診断を受けておきたい。

日光にさらされる部分は一年を通して紫外線対策を

加齢とともに増えていく脂漏性角化症。防ぐ方法はないのだろうか。

「紫外線対策は大事です。顔や首、手の甲や腕など、紫外線にさらされる部分には、一年を通して日焼け止め(紫外線防止剤)を使用したいもの。帽子や日傘なども活用しましょう」

日焼け止めは一年中、使用したいもの。

イボに効くという漢方薬のヨクイニンにも、予防や改善の効果はあるのだろうか?

「ヨクイニンは皮膚の代謝を促し、ウイルス性のイボに効くとされていますが、脂漏性角化症には効果がありません」

脂漏性角化症とは別に、首イボともいわれる首からデコルテにかけてポツポツと飛び出したようにできるイボや、ほくろが少し盛り上がったようなイボを気にしている人も多いが……。

「これはスキンタッグやアクロコルドンと呼ばれるもので、良性の軟性線維腫です。こちらもウイルス性ではないので放っておいても問題はありませんが、気になる場合は液体窒素や炭酸ガスレーザーなどで治療できます」

【ドクターから一言】
気になるなら除去治療も受けられますが、各治療法のメリット・デメリットを確認し納得したうえで選択しましょう。

※この記事は「ゆうゆう」2024年10月号(主婦の友社)の記事を、WEB掲載のために再編集したものです。

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監修者

常喜医院 院長

常喜眞理

じょうき・まり●1963年生まれ。東京慈恵会医科大学卒業。消化器病学会専門医、消化器内視鏡学会専門医・指導医。内科学会認定医。著書に『オトナ女子 あばれるカラダとのつきあい方』(すばる舎)、『お医者さんがやっている「加齢ゲーム」で若返る!』(さくら舎)。

じょうき・まり●1963年生まれ。東京慈恵会医科大学卒業。消化器病学会専門医、消化器内視鏡学会専門医・指導医。内科学会認定医。著書に『オトナ女子 あばれるカラダとのつきあい方』(すばる舎)、『お医者さんがやっている「加齢ゲーム」で若返る!』(さくら舎)。

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