【池上彰】が「年金は絶対にもらえる」と断言する理由とは? 本来の年金の意味合いも解説
年金受給開始年齢は適正なのか?
年金受給開始年齢が年々後ろ倒しされていることも、多くの人の不満を買っています。年金定額部分は男性が2001年から、女性は06年から、3年に1歳ずつ12年かけて、受給開始年齢が60歳から65歳へと引き上げられました。年金の報酬比例部分も同様に、男性は13年から、女性は18年から、12年かけて引き上げられている最中です。
しかし昔は、平均寿命が短かったわけです。たとえば01年の日本人の平均寿命は、男性78.07歳、女性84.93歳でした。22年では、男性が81.05歳、女性が87.09歳です。21世紀になってからも、平均寿命は2~3年ほど延びているのです。
つまり受給開始年齢が60歳から65歳へと引き上げられてはいますが、平均寿命も延びていることで、実質的に年金をもらえる年数はそれほど変化しないといえます。
また、医療は日進月歩で進化しています。最近ではアルツハイマー病型認知症の進行を抑える薬が開発され、おおいに話題となりました。人生100年時代、高齢になっても寝たきりになったり認知症になったりせず、元気で過ごす人が増えてくるはずです。その人たちに70歳くらいまで元気に働いてもらい、年金を受け取るのではなくむしろ年金保険料を納めてもらえば、今後日本の高齢者が増えていっても社会がなんとか成り立っていく、そういう明るい未来があり得るはずです。
※この記事は『池上彰の未来予測 After 2040』池上彰 著(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。
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