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「このあときっと面白くなるはず!」と視聴者が期待する理由とは?【おむすび】第2週 

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田幸和歌子

ギャルがギャルを演じるという妙味も

ところでこのドラマの舞台となる「平成」感を演出する最大のアイテムとしてチョイスした「ギャル」。みちょぱやゆうちゃみなど、ギャル系のタレントは、若い女子ばかりでなくお茶の間の人気者だ。

『おむすび』にギャル役として出演中のみりちゃむも、ギャルがギャルを演じるという妙味がある。ある意味引きの強いエッセンスが盛り込まれているのに、これが今のところあまりワクワクする要素になっていない。

ギャルが登場すること自体はかまわない。しかし、第2週のサブタイトルも「ギャルって何なん?」というものだったが、このギャル感を前面に押し出し過ぎたことも「脱落」要素のひとつと考えられそうだ。

ギャルタレントとは、過去から多くの場合、バラエティなどで独自のセンスや、見た目はチャラそうだけど芯のある考え方をしているところなどが支持されていることが多いと思うが、それをフィクションの世界に持ち込まれても(つまり、たとえばみりちゃむのギャルマインドから発せられるポリシーではなく、脚本家等が思うギャルのポリシーになるわけだ)、リアリティがない。

しかも、ギャルという概念が不良や、現代の「トー横キッズ」などのイメージとミックスされているきらいも感じられ、このドラマの中での「ギャル」的な概念を押し出せば押し出すほどさめていく部分はある。

それなのにNHKは、もっと『おむすび』を楽しんでもらうためにと、「アムラー」「ヤマンバ」といったワードや平成期の流行を織り込んだ年表を作ったりするなどギャル世界の浸透に一生懸命なところも見受けられるが、やっぱりがんばるのはそこじゃない!

「おむすび」第7回より(C)NHK

実際に歩が登場するときの不安が少し…

それでも「このあときっと面白くなるはず!」と、いまひとつ楽しみきれていないが期待する視聴者は少なくない。“伝説のギャル”として名をはせたという、仲里依紗演じる、ヒロイン結の姉・歩の登場を心待ちにする声もよく見る。

しかし、渋谷109の前で撮ったイメージであろう「伝説のギャル」時代の1枚の写真に写る歩が、「今もギャルマインド忘れずギャルやってます、ちーす!」みたいに見えてしまうところに、実際に歩が登場したときの不安が少しだけある。

これから結とギャルサー仲間はパラパラ大会を目指してギャル道をもうしばらく極めていきそうだが、そんななかでの歩の登場が、「思ってたのとちがう」とならないことを、とりあえず祈りたい。

「おむすび」第9回より(C)NHK

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