81歳・現役女医の天野惠子さんが「あなただからできるんです」の声にいつも返す言葉とは?
80歳を超えてなお現役の医師を続ける天野惠子さん。女性外来で週2回、診療に当たる天野さんが話題です。今すぐマネしたくなる、今知っておきたい健康の話が満載の著書『81歳、現役女医の転ばぬ先の知恵』から、一部抜粋して、4回に分けてご紹介します。第3回は、「思考のクセ」を変える方法について、教えていただきます。
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「当時は許されませんでした」81歳の現役女医が切り開いた、育児と仕事を両立する術とは?思考のクセを変えると生きるのがラクになる
「ゴーイングマイウェイ」といわれた私は、悪口や周りの雑音も何のその。自分の中に強い軸を持っていればへっちゃら。ストレスは上手にスルーしましょう。
こんなふうにいうと、多くの人は「私は天野先生みたいに強くないから無理です」「私にはできません」といわれることがあります。
でも、周りを気にして自分のことを後回しにし、ストレスをため込む生き方を長年にわたって続けていると、心も体も必ず悲鳴をあげます。
更年期以降は、家庭でも職場でも責任ある立場になり、仕事と家庭の両立、子どもの巣立ちや親の介護、自分自身の老後の不安、経済的な悩みなど、さまざまな心配事や悩み事がふえる時期でもあります。
過度なストレスは、胃痛、頭痛、便秘、下痢、肩こり、食欲不振、不眠、疲労感、倦怠感、イライラなど、さまざまな心身の不調をもたらします。
これらは、ストレスによって自律神経のうちの交感神経が優位になり、それによって副腎皮質からコルチゾールやアドレナリンなどのストレスホルモンが分泌されることで引き起こされます。
これらのホルモンは血糖値や血圧を上昇させたり、胃酸の過剰分泌を促進したりする作用があり、さらには免疫力の低下を招きます。交感神経が優位な状態が続くと副交感神経とのバランスがくずれ、自律神経の乱れを引き起こし、心身にさまざまな不調をもたらすのです。
更年期以降、老年期からは、自分自身の考え方のクセをあらため、生活習慣を整え、 人生後半に備える大切な時期。つまり、生き方を変える最後のチャンスです。
やることが山積みでも、自分の心と体を優先させる時間を持ちましょう。
そして、「こうでなければいけない」と固定観念に縛られるのではなく、物事を柔軟にとらえる考え方を身につけましう。弾力的でしなやかな考え方を覚えると、これからの人生が断然ラクで楽しくなります。
今、この瞬間から生き方を変えましょう。