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人生後半戦の『ターニングポイント』を前向きに!

75歳で週2の筋トレを開始!「筋トレに遅いの文字はない」50~60代でやっておくべき運動も紹介【天野惠子さんのターニングポイント#3】

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植田晴美

日光浴、朝コップ1杯の白湯など、できることを生活習慣に取り入れる

リフォームをしたときに階段の左右に手すりを設置。「これが大正解!上り下りがラクですよ」

天野さんは50代以降の女性に留意してほしいこととして、筋肉量減少の他、骨の健康を挙げます。

「更年期以降の女性に共通して起こるトラブルに、骨量の減少があるからです」

女性ホルモンのエストロゲンには新しく骨を作る細胞を活発にする働きがあります。ですから閉経してエストロゲンの分泌量が低下すると骨量も減少し、骨粗しょう症のリスクもアップ。

「軽いジョギングやなわとびなどの運動には、骨に負荷をかけ、骨量の低下を予防する効果があります。さらに50代以降は、骨量を減らさない生活習慣も意識してほしいですね」

骨の材料となるカルシウム(牛乳、乳製品、小魚、干しエビ、小松菜、青梗菜、大豆製品など)、カルシウムの吸収を促すビタミンD(牛乳、卵、チーズ、鮭、さんま、うなぎ、しいたけ、きくらげなど)やビタミンK(納豆、ニラ、ブロッコリー、ほうれんそう)は食事で積極的に摂りたい栄養素。

「日光を浴びることも大事。ビタミンDは日光を浴びることで作ることができますから。私自身は朝起きたらカーテンを開けて、しっかり太陽の光を浴びる。それから白湯を飲んで、ぬるめのお湯につかって体を温めてから、猫たちと朝の散歩をして朝食というのが長年の習慣。とくに朝の入浴は硬くこわばった体がほぐされて、関節の動きもよくなるので、おすすめですよ」

いろいろな検査値が悪くなったり、できないことが増えてきたりという老化は誰にでも等しく訪れるもの。「年のせいだから、仕方ない」とあきらめたり、若い頃と比較して嘆いたりせず、低下した機能やできなくなったことをサポートする方法を、そのつど積極的に生活に取り入れていく天野さん。80代でも現役内科医として生き生きと過ごしているのは、その思考の柔軟性と行動力にあるのだと感じました。

次回は80代に入ってからの変化、現在の天野さんの生活についておうかがいします。

ハクちゃん5歳。リードをつけてお散歩にも行きます!

天野惠子さんのターニングポイント③

75歳から始めたサルコペニア対策! パーソナルトレーナーの指導で週2の筋トレを始める。

撮影/三角茉由

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