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「それって『野口聡一さん』だからできませんか?」編集者のイジワル質問、どう答える…?【野口さん流・生き方のコツ】

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ゆうゆうtime編集部

私たちは想像以上に自己卑下している

――本書では、定年前退職をするにあたって最初にやることとして、自分の「棚卸し」をしなさいと書かれています。

Soichi Noguchi(@astro.soichi) • Instagramより

野口 私たちは自分で思っているよりも評価軸を他人に握られています。わかりやすいのは受験ですね。受験っていうのはもう徹頭徹尾、他人の評価軸です。社会に出ても会社では自分の仕事の満足度を他人の尺度で測られます。でも何をどうやっても他人の尺度を変えることはできないわけです。だから自分の価値、自分の仕事の意味や、達成度は自分で評価する。評価軸は自分が持つというのがまずは大事だと思います。その評価軸が決まったら「棚卸し」をしていく。
仕事を辞めると言うと「いきなりものになると思うなよ」とか「(転職は)厳しいぞ」とういうようなネガティブな言葉が聴こえてくることもありますが、その時に評価軸をちゃんと自分で持てていれば大丈夫なんです。必要以上に自己評価が低すぎる人が多いんですよ。
普通に働いていれば、できることはいっぱいあるし、どこでも通用するのに「私なんかそれほど」と言って、自分の持っている正当な能力を評価できてない人が多い。謙遜というのはもちろん美徳でもあるんですが、こと独り立ちする段階においては、必要以上の自己卑下と謙遜はマイナス。思い切って自分の力量に値付けをする勇気が必要なんだろうなと思います。

――実際には自分自身の評価軸をなかなか見つけられない人も多いと思います。

野口 評価軸は結局は自分が大事にしている価値観に合ってくると思いますし、存在意義とも言えるかもしれない。ちょっと青くさい言い方になっちゃうけど、社会に役立つとか、自分らしくいられるとか、そういったところになってくるんだと思います。そこは別に他人からどうこう言われるところではないんです。
例えば、朝から夜まで集中できる仕事があるっていうのも、十分コアバリュー(価値観)だと思うし、自分の子供に誇れる仕事もコアバリューだと思う。そして、そこに対して自分がどう評価して点数を付けるのか。自分で自分の点数をつけることがまず大事です。

Soichi Noguchi(@astro.soichi) • Instagramより

――他人や組織に評価をされていたものを、自分自身のポリシーであるとか、自分がどう社会と関わりたいとか、そういうもので再評価するということでしょうか。

野口 そうですね。この本のタイトルそのものが「定年前退職」ですので、その組織から離脱して、会社・組織に縛られず、自分の価値を作り出そうっていうのが本書の最大の意義です。その自分の価値を作り出すためには、繰り返しになりますが、評価軸を自分に持ってこないといけない。なぜかというと組織人としての価値っていうのは、収入とアイデンティティとモチベーションの三つしかないんです。
一向に上がらない収入と、肩書きという居場所、そして出世でしか満たされないモチベーション。会社はこの三つしか与えてくれません。そしてそれは自分のコアバリューになっていますか?なってないですよね。

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