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60代で初の接客業に挑戦「Iターンした社長を応援したい」その理由【人生100年時代の働き方白書】

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ゆうゆう編集部

年齢に関係なく、いくつになっても自分らしく、マイペースでいきいきと働くゆうゆう世代が増えています。そんな皆さんに、仕事の「やりがい」について聞きました。今回は、島根県にある「高津川リバービア」の販売スタッフ、山口里美さん66歳です。

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社長が夢を叶えられるよう応援することが私の夢でもあるんです

山口里美さんの職場は島根県益田市の高津川リバービア。「島根とは縁もゆかりもない」と言う福岡県出身の上床絵理さん(43歳)が東京からIターンして、2020年に立ち上げた自家製ビールの製造・販売を行う会社だ。

「社長は益田や高津川流域の豊かな自然を気に入って、高津川のきれいな水と、この地でとれるシャインマスカットやゆずなどを使ったビールをつくりたいと一念発起して東京から来てくれました。益田で生まれ育ったひとりとして、その思いがうれしくて、応援したい、力になりたいと思ったのが働き始めたきっかけなんです」

当初はラベル貼りなど事務作業がメインだった。その後、地元の人や観光客が気軽に立ち寄れる場所をつくろうと、「クラフト酒場高角」がオープンし、現在は店頭に立ってクラフトビールの販売や接客などの業務をこなしている。益田市役所などに長く勤めていたが、接客業は初めての経験なのだそう。

「地元産のいちご、クロモジ、隠し味にしょうゆなどを使ったクラフトビールがお店の自慢。その味わいをお客さまに言葉にして伝えるのが難しいですね」と言うが、上床さんは「うちのビールの味に一番詳しいのが里美さん。観光の方に近くの名所を紹介して喜んでもらえるのも、益田出身の里美さんがいるからこそ。本当に信頼しています」と話す。

「吉賀茶エール」など、オリジナルのクラフトビールは10種類ほど。「できるだけ自分が感じたまま言葉にし、お客さまに魅力を伝えています」

現在66歳。重たいビール瓶を運んだり、立ちっぱなしで接客をしたり。精力的にハツラツと働く山口さんに、今後の働き方について考えを聞いた。

「いつまで働き続けるか、具体的なことは何も決めていません。きっと年齢的に、ここが最後の職場になるでしょうね。後悔のないように、何かしら役に立てるうちはここで頑張ろうと思っています。社長が夢を叶えられるように応援することが、私の夢でもあるんです。今の年齢になって、こんな素敵な夢に出合えたことに感謝しています」

山口さんの接客の心得は、「話したい人もいれば、ひとりで静かに飲みたい人もいる。お客さまの様子をよく見て声をかけるようにしています」

※この記事は「ゆうゆう」2025年4月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。

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