記事ランキング マンガ 連載・特集

【ガーデニング】可愛いモッコウバラの育て方と、注意したいこととは?

公開日

更新日

吉原美奈子

【ガーデニング】可愛いモッコウバラの育て方と、注意したいこととは?

フェンスに絡ませたキモッコウバラ。春にふさわしい柔らかい黄色がラブリーで、小さい葉とのバランスもとれています。

一般のバラに先がけて花を咲かせるモッコウバラは古くから人々に親しまれ、多くの庭に植えられています。もちろんバラの仲間ですがハイブリッドティーなどとは育て方が違います。モッコウバラの基本知識を押さえておきましょう。

▼こちらもどうぞ▼

【ガーデニング】4月のバラは生長モード。鉢植えは水やりがポイントに!
【ガーデニング】可愛いモッコウバラの育て方と、注意したいこととは?(画像2)

青い花瓶の中に生けたキモッコウバラ。長く伸びるので惜しげなく切れるのがうれしい。ラベンダーなどの青い小花との相性は抜群です。

モッコウバラってどんなバラ?

モッコウバラというとクリーム色の、ポンポン咲きの小輪バラを思い浮かべる方が多いことでしょう。
これは正式にはキモッコウバラという名で、モッコウバラは白い花色のほうを指します。

しかし、一般にはモッコウバラ=キモッコウバラとして認知されていて、白のほうを指す場合はシロモッコウバラと呼んだりする逆転現象も起こっているようです。

モッコウバラの原種はロサ・バンクシアエ・ノルマリスという白の一重の小輪のバラで、そこから現在のキモッコウバラが誕生しました。
ちなみにキモッコウバラの学名はロサ・バンクシアエ・ルテアです。

【ガーデニング】可愛いモッコウバラの育て方と、注意したいこととは?(画像3)

白のモッコウバラ。本来、モッコウバラといえばこちらを指しますが、今は黄色のほうがポピュラーに。

キモッコウバラの特徴はつる性の一季咲きで、花径2.5cmの小さな花が10輪ほどかたまって開花します。無数の花のかたまりが長く伸びる枝に付く様子は圧巻で人目を引きます。

枝にはトゲがほとんどないのもうれしい特徴で、誘引などの作業も楽にできます。
花期は一般のバラよりかなり早く、関東地方以西ではゴールデンウィークの前に満開になりますが、最近は温暖化の影響でしょうか、4月中旬に満開になることも珍しくはありません。

【ガーデニング】可愛いモッコウバラの育て方と、注意したいこととは?(画像4)

塀の上にモッコウバラを這わせて上部を隠した例。常緑の枝が旺盛に伸びるので目隠しにもいいのです。

モッコウバラの育て方のポイント

モッコウバラ(キモッコウバラ)は常緑性のため、ハイブリッドティーなどの一般のバラとは栽培法が異なります。
バラは冬に枝を深く切り詰める冬剪定を行いますが、モッコウバラは花芽が付く時期が早いため、冬剪定を行う必要はありません。

4月の花が終わったら枝が旺盛に伸びだしますが、5月~7月初旬までに剪定を行って株をすっきりさせましょう。
その後9月頃までに花芽が完成するのでそれ以降は深い剪定は避けてください。

ただし、夏前に剪定を済ませても、モッコウバラは生育が旺盛なため、冬にはまた大きく伸びていることが多いものです。
せっかくついた花芽を落とさないよう冬の剪定は行いませんが、不要な枝であれば切り、枝を軽く整える整枝を行ってください。

【ガーデニング】可愛いモッコウバラの育て方と、注意したいこととは?(画像5)

苗を植えて1~2年のモッコウバラ。これからぐんぐん伸びることでしょう。白のほうが黄より香りがあります。

また、モッコウバラは一般のバラほどは肥料を欲しがりません。
新芽が伸び始める時期と花後に、油かす骨粉固形肥料かバラ専用肥料を与える程度で十分でしょう。
肥料を与え過ぎると病気にかかりやすくなったり、花付きが悪くなるので注意してください。

モッコウバラは丈夫で病気にもかかりにくいため、日当たりと風通しのよい場所に植えているのであれば薬剤散布もほとんど不要です。
3月末に消毒を1回行えばきれいな花が見られるでしょう。

【ガーデニング】可愛いモッコウバラの育て方と、注意したいこととは?(画像6)

こちらはダマスク系のオールドローズ。古めかしい紫のロゼット咲きで、強い香りを放ちます。

ハイブリッドティーは、ガーデニングで最も人気のあるバラの系統の一つです。19世紀後半に生まれたこの系統は、花の形が美しい古典的なティーローズと丈夫なハイブリッドパーペチュアルを交配して作られました。大輪で咲き誇る花と高い香り、多彩な色合いが特徴で、シンボル的な存在感を放ちます。鉢植えや地植えはもちろん、切り花としても優れており、ガーデニング初心者からも愛されています。

詳細を見る

スタンダード仕立てとは、植物の下部の枝を取り除き、一本の幹を高く伸ばして上部に球形や傘形の樹冠をつくる仕立て方です。​バラやベンジャミンなどで見られ、庭のアクセントとして人気があります。

詳細を見る

固形肥料とは、粒やブロック状の形状をした肥料で、ゆっくりと分解・溶解して植物に養分を供給します。有機質系から化成肥料まで種類も豊富で、鉢植えの表面に置くか、土に混ぜ込んで使うのが一般的です。肥効の持続期間や成分バランスに応じて使い分けることで、効率的な栽培が可能になります。

詳細を見る

一季咲きとは、一年のうち特定の季節にのみ花を咲かせる植物のことを指します。特にバラにおいてよく使われる用語で、春から初夏にかけて一度だけ花を咲かせ、その後は葉の生長や株の充実に向かうタイプの品種を指します。これに対して、四季咲きの植物は年間を通じて複数回花を咲かせる特性があります。

詳細を見る

パーゴラとは、庭やテラスに設置される棚のことで、つる性植物を絡ませるために使われます。柱と、屋根の部分には横木などが添えられます。バラやクレマチス、フジなどを立体的に育てることができ、日陰をつくる涼しげな空間としても人気です。庭に奥行きや立体感を出したいときにも効果的です。

詳細を見る

油かすとは、菜種や大豆などの油を搾った後に残るかすで、チッ素分を多く含む有機肥料です。元肥や追肥として利用され、植物の葉や茎の生長を促します。ゆっくりと効き目が現れるため、長く栄養を与えたいときに適しています。ただし、施しすぎると発酵時に悪臭が出ることがあるため、量や場所に配慮が必要です。また、スイセンはチッ素過多になると、球根が分球しやすく花が咲きにくくなるため、リン酸分の多い肥料を施します。

詳細を見る

骨粉とは、牛や豚などの動物の骨を高温処理して粉末状にしたリン酸質肥料で、おもに花や実のつきをよくする効果があります。即効性はありませんが、土壌にじっくりと効いてくる緩効性で、バラや球根植物、果樹などに多く用いられます。有機質肥料の一種として、堆肥などと併用することで、より健全な土づくりに貢献します。

詳細を見る

誘引とは、植物の枝やつるを支柱やフェンスに沿って結びつけ、形を整えたり、日当たりをよくしたりする作業です。生長に合わせて、ひもなどでやさしく固定します。見た目を美しくするだけでなく、花つきや収穫量にも影響します。

詳細を見る

肥料とは、植物が健やかに生長するために欠かせない栄養素を補給する材料のことです。おもにチッ素、リン酸、カリウムを三大要素とし、それぞれ葉の生長、花や実の形成、根の発達を助けます。有機質肥料と無機質肥料に分類され、有機質肥料は堆肥や骨粉など自然由来で、土壌改良にも効果的。一方、無機質肥料は成分が均一で即効性が魅力です。ガーデニングでは植物の種類や生長段階を考慮し、適切な肥料選びと施肥のタイミングが大切です。

詳細を見る

支柱とは、植物が倒れたり茎が曲がったりするのを防ぐために立てる棒状の補助具。特に生長とともに高さが出る植物や、実が重くなる果菜類、つる性植物などに欠かせない資材です。ガーデニングでは、支柱の材質や形状によって景観にも影響を与えるため、景観に馴染む自然素材のものや色つきのものを選ぶことで、植物の生長を支えつつ庭の美しさとの両立を図ることができます。

詳細を見る

学名とは、植物や動物を世界共通で呼ぶために使われるラテン語などによる正式な名称で、属名と種小名の組み合わせから成ります。例えばバラの学名は「Rosa hybrida」で、学術的な識別や国際的な情報交換に不可欠です。和名や英名と異なり、学名は重複や誤認が少なく、分類体系に基づいた整理が行われています。

詳細を見る

原種とは、交配などで改良された植物の親や祖先にあたる種のことです。人間の手による品種改良や交配が行われていない、自然のままの状態で存在する野生種のことを指します。

詳細を見る

剪定とは、植物の不要な枝を切り取る作業のことです。形を整えたり、風通しをよくしたり、枝分かれを促したりする目的で行われます。剪定を行う目的に合った正しい時期に行うことが大事です。

詳細を見る
画面トップへ移動