【遺贈寄付】の仕組みとは? 寄付の意思はどうやって残せばいい?PR
近年、非常に関心が高まっている「遺贈寄付」。そんな遺贈寄付の考え方や仕組み、手順などをひとめでわかるように解説した『遺産で貢献する新しい終活 遺贈寄付ブック』より、ここでは、遺贈寄付の種類と仕組みについてご紹介します。
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【監修】
齋藤弘道 さいとう・ひろみち
遺贈寄附推進機構株式会社 代表取締役
一般社団法人全国レガシーギフト協会 理事
みずほ信託銀行の本部にて遺言信託業務に従事し、2007年より、同行の本部にて営業部店からの特殊案件や1500件以上の相続トラブルと1万件以上の遺言の受託審査に対応。
遺贈寄付の希望者の意思が実現されない課題を解決するため、弁護士・税理士らとともに勉強会を立ち上げ(後の全国レガシーギフト協会)。
2014年に野村證券に転職、野村信託銀行にて遺言信託業務を立ち上げた後、2018年に遺贈寄附推進機構株式会社を設立。
日本初の「遺言代用信託による寄付」「非営利団体向け不動産査定取次サービス」等を次々と実現。
【遺贈寄付の種類と仕組み】6つの「寄付の意思」の残し方
遺言書を書くだけではないあなたらしい想いの伝え方
「遺贈寄付」と聞くと、遺言書を書いて寄付するイメージがあると思いますが、そのほかにもいろいろな方法があります。「遺贈寄付」という言葉は、のちに全国レガシーギフト協会となる前身の会議の場で、2014年頃に名づけたものですので、特に明確な定義はありませんが、現在では次の6つの方法に整理しています。❶遺言による寄付、❷死因贈与契約による寄付、❸生命保険による寄付、❹信託による寄付、❺相続財産の寄付、❻香典返し寄付、です。❷❸❹はいずれも契約によって将来寄付が実行されるものなので、まとめて「契約による寄付」ともいいます。
下の図のとおり、「遺言による寄付」と「契約による寄付」は、財産を所有する【本人】が【生前】に遺言や契約を手続きすることにより【将来】寄付が実行されるものです。
これに対して、相続人が受け取った遺産の中から寄付する「相続財産の寄付」は、遺産を受け取った【相続人】が被相続人の【死後】に【今】寄付を実行するものです。あなたが自分の財産を自分の意思で「この団体に託そう」とするならば、今のうちに遺言や契約の手続きをしておく必要があるのです。
6つの方法における「意思の表現」を見ていきましょう。
❶遺言による寄付は、遺言書に「金◯◯万円を◯◯に遺贈する」などと書くことで寄付の意思を表します。遺言は一方的な意思表示ですので、寄付先団体の同意は不要です。❷死因贈与契約による寄付は、贈与者と受贈者が契約する方法ですので、双方の意思や条件を生前に確認することができます。❸生命保険による寄付は、死亡保険金の受取人に団体を指定する方法ですが、受取人に法人を指定できない保険会社が多いのが現状です。❹信託による寄付は次回記事で詳しく解説します。
❺相続財産の寄付は、❶~❹のように法的な効力はありませんが、手紙などで寄付の意思を相続人に伝えておくことで寄付の実行を期待するものです。❻香典返し寄付は、❺と同様に寄付の意思を遺族に伝えておくこともできます。
【遺贈寄付の寄付先紹介】子ども支援・国際協力 4団体
ここにご紹介する団体は、遺贈寄附推進機構による「遺贈寄付に関する研修(約10回)」を受講し、団体内の遺贈寄付規程やマニュアルを整備し、遺贈寄付専用のWEBサイトやパンフレットを整え、日々遺贈寄付の情報を収集して自己研鑽を積んでいます。遺贈寄付希望者や専門家からの個別の相談についても、遺贈寄附推進機構のサポートがあるので「遺贈寄付の受入体制が整っている団体」といえます。
すべての遺児の心を癒し、進学の夢を支える【あしなが育英会】(子ども支援/教育)
活動概要
あしなが育英会は、病気や災害、自死(自殺)などで親を亡くした子どもたちや、障がいなどで親が十分に働けない家庭の子どもたちを支える民間非営利団体です。主に、進学の夢をかなえるための「奨学金」、学生寮の運営をはじめとする「教育支援」、子どもたちや保護者の思いに寄り添う「心のケア」などを行っています。アフリカの優秀な遺児を祖国のリーダーに育てる長期計画も推進しています。
寄付の使途例
奨学金
遺児家庭の教育に関する経済的負担をできるだけ軽減し、高校・大学への進学の夢をかなえてもらうために、奨学金の給付と無利子貸与を行っています。現在の奨学生数は約7000人です。
教育支援
社会に貢献する人づくりを目標に、学生寮を東京と神戸で運営しています。奨学生同士の交流を後押しするサマーキャンプや、視野を広げる海外留学研修も行っています。
【一般財団法人 あしなが育英会】
創設者・会長:玉井義臣
所在地:東京都千代田区平河町2丁目7-5 砂防会館4F
設立年/活動エリア:1993年/日本全国、サブサハラ・アフリカ(サハラ砂漠以南)
実績等(受賞歴):2004年 朝日社会福祉賞、2015年エレノア・ルーズベルト・ヴァルキル勲章、2016年 吉川英治文化賞、2018年 後藤新平賞ほか
不動産遺贈・包括遺贈の受入可否:受入可(要相談)
[資料請求・活動に関するお問い合わせ]
☎︎03-3221-0888
★お電話の際、「遺贈寄付ブックを見た」とお伝えください
https://www.ashinaga.org/contact/legacy-donations-inquiry
日本と世界の子どもを取り巻くあらゆる課題に取り組む【セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン】(子ども支援/国際協力)
活動概要
国内外で、行政や地域社会と連携し、子どもたちとともに活動を行っています。海外では保健・栄養、教育などの分野で活動するほか、自然災害や紛争における緊急・人道支援を実施。また、国内では子どもの貧困問題解決事業のほか、東日本大震災や熊本地震、能登半島地震における緊急・復興支援を通して、子どもの権利を実現する活動を行っています。
【公益社団法人 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン】
専務理事・事務局長:髙井明子
所在地:東京都千代田区内神田2-8-4 山田ビル4F
設立年/活動エリア:1919年(日本では1986年)/日本など110ヶ国以上
実績等:2019年 内閣府賞勳局より「紺綬褒章」公益団体認定ほか
不動産遺贈の受入可否:可能(応相談)
包括遺贈の受入可否:可能(応相談)
[資料請求・活動に関するお問い合わせ]
☎︎0120-317-502(平日9:30~18:00)
★お電話の際、「遺贈寄付ブックを見た」とお伝えください
https://www.savechildren.or.jp/contribute/inherit2/
“何もかも”はできなくとも“何か”はきっとできる【ワールド・ビジョン・ジャパン】(子ども支援/国際協力)
活動概要
ワールド・ビジョンは、国連経済社会理事会に公認・登録された、世界最大級の子ども支援団体です。すべての子どもが生まれた場所や状況に関係なく、「豊かないのち」を生きていける。そんな世界の実現を目指し、キリスト教精神に基づいて、世界約100カ国で開発援助、緊急人道支援、アドボカシー(市民社会や政府への働きかけ)を行っています。
寄付の使途例
10万円でできること
子ども100人に、1カ月分の栄養補助食を提供できます(コンゴ民主共和国)。
100万円でできること
子どもに100人に、学用品セット(バッグ、文房具など)を提供できます(シリア)。
500万円でできること
設備が不十分な幼稚園に、園舎を建設できます(スリランカ)。
1000万円でできること
教室や職員室、トイレなどを備えた校舎を建設できます(ケニア)。
【認定NPO法人 ワールド・ビジョン・ジャパン】
事務局長:木内 真理子
所在地:東京都中野区本町1-32-2 ハーモニータワー3F
設立年/活動エリア:1987年/アジア(日本国内含む)・アフリカ・中南米・中東
不動産遺贈の受入可否:可能(応相談)
包括遺贈の受入可否:可能(応相談)
[資料請求・活動に関するお問い合わせ]
☎︎03-5334-5355(平日10:00~17:00)
★お電話の際、「遺贈寄付ブックを見た」とお伝えください
https://www.worldvision.jp/donate/testamentary.html
人々の可能性を広げ、貧困のない世界へ【シャプラニール=市民による海外協力の会】(国際協力/子ども支援)
活動概要
シャプラニールは、バングラデシュ、ネパールと日本で活動する国際協力NGOです。経済発展や公的支援から「取り残された問題」を見つけ、根本から解決することを使命とし活動しています。現在の重点活動分野は、「児童労働の削減」「洪水・サイクロン等災害常襲地での防災活動」「南アジアの手工芸品や食品のフェアトレード」「新宿区での多文化共生事業」などです。その他、大規模な災害が発生した際、緊急救援や復興支援に取り組んでいます。
【認定NPO法人 シャプラニール=市民による海外協力の会】
代表理事:坂口和隆
所在地:東京都新宿区西早稲田2-3-1 早稲田奉仕園内
設立年/活動エリア:1972年/バングラデシュ・ネパール・日本
不動産遺贈の受入可否:応相談
包括遺贈の受入可否:応相談
[資料請求・活動に関するお問い合わせ]
☎︎03-3202-7863(火~土10:00~18:00)
★お電話の際、「遺贈寄付ブックを見た」とお伝えください
https://www.shaplaneer.org/youcan/donate/inheritance
イラスト/石山綾子
※この記事は『遺産で貢献する新しい終活 遺贈寄付ブック』(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。
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遺産で貢献する新しい終活 遺贈寄付ブック
齋藤弘道/監修
主婦の友社 1320円
「遺贈寄付」は自分が亡くなったとき、遺産のすべてまたは一部を非営利団体などに寄付することです。遺贈寄付は遺産を希望した形で社会に役立てられるとして近年非常に関心が高まっています。本書は、遺贈寄付の考え方や仕組み、手順などをひとめでわかるように解説した一冊。遺贈寄付をする「遺言」を書いた方の体験談や、信頼できる寄付先20団体も紹介しています。
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