「何で全部私の仕事なの?」から解放される!【夫婦で家事シェア】のススメ
「家でゴロゴロ過ごす夫が家事を一切しない」「体力的に家事が重荷に……」。そんなモヤモヤを解決するのが家事シェアです。家事シェア研究家に分担を成功させる秘訣をお聞きしました。
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三木智有さん 家事シェア研究家
みき・ともあり●家事シェア研究家、NPO法人tadaima!代表。内閣府「男性の暮らし方・意識の変革に関する専門調査会」委員(2016年)。著書に『日本唯一の家事シェア専門家が導き出した家族全員自分で動くチーム家事』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。
家事を全部背負い込むことは夫のためにならない
家事シェアと聞くと若い世代のことと思いがちだが、家事シェア研究家の三木智有さんのもとには、ゆうゆう世代からの悩み相談が増えているという。
「女性の悩みとしては、『やってほしいときに家事をやってくれない』『機嫌を損ねるので夫に頼みにくい』などがあります。日々募るモヤモヤは、夫としっかりと話し合い、家事をシェアすることで、心と体の負担を軽減しましょう」
専業主婦として家事全般を担ってきた女性の中には、「自分がガマンすればよい」という考えの人もいるだろう。だが、いくら女性が長生きだからといっても、妻が病気になって長期入院をすること、先立つことだってありうる。
「そうなると残された家族、夫や子どもは暮らしが立ちゆかなくなります。夫のためにならないんです。だから、普段から家事をシェアし、家庭の中でお互いが自立、自活する力を備えておきましょう」
問題は、若い世代とは違ってゆうゆう世代の家では、すでにわが家の家事スタイルが出来上がっているという点だろう。
「一度構築して何年も続けていた形を壊し、またイチから組み立て直すことなどできません。もちろん、これまでの方法を否定する必要もない。主婦は家事の先駆者として尊重されるべきですから。では、自分のスタイルの中に、どうやってパートナーを組み込んでいくか。その際に必要なのが左の『わが家の型』です。型は4つあり、型ごとにどうシェアすればよいかパターンがある。自分はシュフ型だけど相手は担当型という場合は、まずは相手に合わせてやってみてください、そのうえで微調整しながらわが家の型、スタイルを構築していきましょう」
家事シェア成功の秘訣はわが家の型を知ること
各スタイルの特徴は?
シュフ型
家事を中心となって担うシュフ(主婦・主夫)の指示のもと、家事をする。夫婦で家事スキルに差がある、どちらかに家事についてのこだわりが多い。指示を出す側も出される側もストレスを感じやすい。「何を」ではなく「いつやるか」の時間軸を最優先して。
ハイブリッド型
指示を出すシュフ型をベースに、部分的に担当型を取り入れているタイプ。シュフ型と担当型のいいとこ取りで中級者向け。シュフ型と担当型、両方の悪いとこ取りになる可能性もある。担当していない家事についても「いつやるか」を決めておくとよい。
担当型
ゴミ捨て、食器洗いなど担当を決め、その人が責任をもってこなすスタイル。担当している家事に関してはお互い干渉しないのがルール。「いつやるの?」は担当の自主性を損なうので禁句。「いつまでにやるか」、締め切りを決めると成功しやすい。
自律型
担当は特に決めず、気づいたほうが実行する。夫婦の価値観が似ている上級者向け。「気づいたほうがやる」は理想的だが、相手が気づかない場合、「自分ばかり」になりやすい。自分がどんなときに「家事をしよう」と思うか、すり合わせが必須。
イラスト/さち
※この記事は「ゆうゆう」2025年6月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。
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