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韓国ドラマ【ホジュン】20代になったジュンの激変姿に動揺したのは私だけではないはず!1〜9話レビュー

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藤岡眞澄

キム・ジュヒョクの役者としての魂がこもった『ホジュン』を楽しみたい

「庶子に生まれたのは私のせい?」―― 自分には何の落ち度もない、不憫な境遇に生まれ落ちたジュンの心にこんな葛藤があったからこそ、同じく理不尽な境遇に追いやられた初恋のミヒョンやダヒに、自然と導かれるように心魅かれたのかもしれない。

そして、ジュンが育ちの中で身に着けた他人への“共感力”は、「私が医者と認めるのは“心医”だけだ。患者を慈しむ矜恤(きょうじゅつ)の心を持っていてこそ“心医”なのだ」と教え諭す師ユ・ウィテの教えに通じるものがあったに違いない。

ユ医師からジュンに与えられた最初の仕事は、水汲み。ジュンはこっそり書き写した患者の診療簿を手に、桶を背負って水場と医院を何往復もする。その姿はまさに“二宮金次郎”。勤勉スタイルは万国共通。そして、医術を学ぶジュンの成長は早かった。

それにしても、ユ医師の登場以降、患者を鍼で治療するシーンが頻出。そのリアルさにビビッて目を覆いたくなることも度々。もちろんその道の資格を持った専門家が鍼を扱っているそうなので手元しか映らないが、刺されている側は役者本人であることが多いという。とりわけ、“九鍼の戯”で9本の鍼を刺された鶏の無事を祈りたい。

「ホ・ジュン役を演じるのは本当に僕の運命だと思う」。これは『ホジュン』の制作発表会(2013年3月14日)でキム・ジュヒョクが語った言葉だ。

「父(故キム・セウン)が1957年に『執念』でホ・ジュン役を演じたときから運命的なものを感じた。出演オファーが舞い込んできたとき、迷うことなく出演しなければ、と思った」「ホ・ジュンの名声を引き継ぐからには、今回の作品で医聖ホ・ジュンの姿とは違う、人間ホ・ジュンの多様な面貌をお見せしたい」。

ひもじくて泣く子を連れた流民の家族になけなしのお金を渡す、朴訥で情け深いジュン。一方で、薬草採りで危険な目に合わせたユ医院の同僚にキレッッキレのアクションで落とし前をつける豪胆なジュン。『ホジュン』は長編ドラマでありながら、1話ごとに表情を変えるストーリー展開で飽きさせない。いつの間にか、薬草や薬効にも詳しくなっているオマケ付きだ。

2014年2月に開かれた日本でのファンミーティングに登場したキム・ジュヒョクは「撮影して1カ月後には、その苛酷さに出演を決めたことを後悔した。9カ月に及ぶ撮影のうち、自宅に帰ることができたのは1~2度。医学用語を覚えねばならず、たいへん苦労した」と語ったと伝えられる。

そして、放送からわずか4年後の2017年10月、彼は不慮の交通事故で45歳の生涯を閉じた。

キム・ジュヒョクの役者としての魂がこもった『ホジュン』。ジュンはいよいよ、一途に彼のことを思うダヒや母に支えられながら、ユ医師の下で“心医”を目指して苦難の道を歩み始める。その1つ目の苦難、ユ医師の息子ユ・ドジ(ナムグン・ミン)のジュンへの強烈な嫉妬が10話~のジュンを待ち受ける。

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