娘を心配するあまり母が隠したものとは!?昔の思い出がよみがえるアクセサリーにまつわる物語
『ひっそり輝くコットンパール』
きらきら輝く真珠のネックレスは、実母からもらいました。亡くなって4年が経ちましたが、「ここぞ」というときに身につけようと思っています。それは女友達が集まってのランチ会か、はたまた結婚式に出席するときか……?
あるとき、ふと「自分でアクセサリーを買ってみたい」と思いました。たまたま立ち寄った店でコットンパールのネックレスが目に入り、購入しました。その名のとおりコットンで作られているので、真珠ほどきらびやかではないものの、静かに輝いているというか……ひっそり輝いているように見えました。72歳の私は、そのネックレスを首にかけるだけで気分が少し華やぎます。3人の孫もいて、れっきとしたおばあさんの私。白髪は染めずに黒髪と白髪が入り交じった今、ちょっぴりおしゃれをしたいとき、それはちょうどいいのです。今度は、コットンパールのイヤリングを見つけたら買ってみようかと思っています。
(ミモザさん 72 歳・北海道)
『初ボーナスで買ったのは』
今から50年前、私の住んでいた田舎町には宝石店や時計店、もちろんショッピングセンターもなかった。たまに遠くの街から、宝石を販売する業者がやってきた。私は当時勤めたばかりで給料も低く、手に届く品物はなかった。それでも同僚と一緒に見るだけで心が躍った。指輪やネックレスを眺め、「いつか買えるといいな……」と思った。
初めて冬のボーナスが出たとき、「私にも買えるかも」と、淡い期待をしながら宝石店がくるのを心待ちにしていた。やっと業者がやってきて品物を並べ始めた。私は自分の誕生石であるガーネットの指輪を手にした。深みのある赤色の石がついた指輪は、まぶしく光り輝いている。私は一目で気に入り、思い切って買うことに。ボーナスはほとんど使ってしまったが、念願の夢が叶って飛び上がるような気持ちだった。
それからは、友人の結婚式やパーティー、送別会などのイベントには必ず身につけた。何でもない服を着ていても、指輪をすると手先がパッと華やかになり、私の心も明るく晴れやかになる。この50年間、私の手先ばかりでなく、心も人生も明るく輝かせてくれた指輪は、私の一生の宝物だ。
(ガーネットさん 72歳・島根県)
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イラスト/山田円
※この記事は「ゆうゆう」2025年7月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。
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