【要約小説】名作のあらすじを読もう!
楠山正雄の『田村将軍』あらすじ紹介。坂上田村麻呂の壮大な冒険と信仰のドラマ
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ゆうゆうtime編集部
『田村将軍』は、平安時代の英雄・坂上田村麻呂の生涯を描いた物語です。荒ぶる敵との壮絶な戦いや、その背後にある観音さまへの信仰心が繊細に描かれています。この勇敢な将軍の物語をご紹介します!
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坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)は、平安時代初期の武勇に優れた将軍です。彼は背の高い巨体と鋭い目つきで、見る者を圧倒する威厳を持っています。その一方で、子どもたちが膝で眠るほど心優しく、深い信仰心を抱く人物でもありました。特に清水の観音さまへの祈願は欠かさず行い、戦勝を祈る姿が印象的です。彼が将軍として名を馳せる背景には、力強さと優しさが共存していました。
奥州での死闘と勝利
物語のクライマックスは、奥州の荒ぶるエミシとの戦いです。特に高丸という猛将率いる軍勢との戦いは壮絶でした。一度敗北を重ねた宮中ですが、田村麻呂の智略と戦術が見事に活かされます。激闘の中、大きな髭面の男と小さな僧侶が現れ、田村麻呂の軍勢を助けました。彼らのおかげで兵士たちは次々と矢を拾い、戦況を優位に運ぶことができたのです。そして遂に敵将高丸を討ち取り、さらにその仲間である悪路王をも撃破。この大勝利により、奥州の地は平定されました。
感謝と新たな祈り
京都に凱旋した田村麻呂は、清水寺へ足を運び、観音さまに感謝の祈りを捧げます。その時、彼を助けた二人の正体が、地蔵菩薩と毘沙門天であったことが明らかになります。感銘を受けた田村麻呂は、天皇から授かった報酬を使い清水寺を立派に造営。そのおかげで現在の清水寺があると言われています。
田村麻呂の最後と将軍塚の由来
その後も田村麻呂は数々の謀反を鎮圧し、日本一の将軍として敬われましたが、54歳で病に倒れます。彼の偉業を後世に伝えるため、彼の遺体は東山の山頂に鎧を着たまま立てられ、埋葬されました。この場所が現在「将軍塚」として知られています。その墓は京都を守るものとして千年以上、人々の祈りと共に語り継がれるものとなっているのです。
まとめ
『田村将軍』は、平安時代の名将坂上田村麻呂を通じて、信仰と勇気、そして感謝の大切さを教えてくれる物語です。厳しい戦闘の描写や、霊験あらたかな神仏の存在が人々を助けるくだりは、日本の歴史と信仰の深さを強く感じさせます。また、清水寺や将軍塚の由来という側面からも、文化的・歴史的価値を多く含んでいます。この心震える壮大なドラマを読むことで、過去の日本の偉大なリーダー像とその時代に触れる貴重な体験ができるでしょう。ぜひ一読をおすすめします!
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田村将軍
楠山正雄(著)
青空文庫(刊)
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